「インドという国は、必然のタイミングがあって行くことになるのかもしれません。」
ちょうど旅の半年前に独立し、竹細工職人としてスタートを切ったところでした。
「日々、精いっぱい誰かのために役立つものをつくり続けたい…」
経済的には楽ではなかったけれどその気持ちだけで生きていけるような気がしていました。
旅の前、パートナーと「ものを作るという行為は、祈りに通じるんだね」という話をしていました。
カタチに込める想い。
祈りのチカラ。
科学が発達するほどに、それはオカルト視され、大きな経済という歯車のなかで掻き消されていってしまう。
その波に飲まれかけていた僕に、バラナシの路地裏のサドゥーや、幻想的な火灯りに包まれたpujaは、鮮烈に何かを訴えかけてきました。
自分のためではない誰かのために命をかけて祈りを捧げる姿に、宗教を越えた「利他」の精神を見て、心が震えました。
本当に誰かのために生きるとは、このことなのか…
翌朝ガンガーの素晴らしい朝日を見ながら、自分の将来を想いました。
今回のツアーで、デリーのMTとサラ大学でチベタン奨学生を対象とした竹細工ワークショップを行わせて頂きました。
奨学生たちは、見慣れているけどインドのものとはちょっと違う、日本の竹の質感を楽しんでくれているように見え、やはり竹はアジアを繋ぐ「鍵」に成り得ると実感。
各チームに入ったレイチルメンバーは、ぶっつけ本番だったにも関わらず、僕の稚拙な解説をうまく翻訳して完成に導いてくれました。
その後、文化交流としてサラ大学では彼らの伝統的な舞いをみんなで輪になって踊ったことも、忘れ難いすばらしい体験でした。
純粋で明るいチベットの奨学生たちを見ていると故郷を捨てて来ている事を忘れてしまいそうになります。
遠く離れているからこそ、大切にすべきものが分かっているのかもしれません。
また後日に訪れたノルブリンカでの伝統を守ろうとする手仕事の数々にも、改めて日本文化を誇り、見直すきっかけを貰いました。
最後に、ツアーを企画し学びの契機を与えてくださったレインボーチルドレンのみなさん、助け合い支えてもらったメンバーのみなさん、本当にありがとうございました!
これからも世界との繋がりを感じ、インドで学んだことを忘れずに、日本での生活を楽しんでいきたいと思います。