レインボーチルドレンは、「教育は世界を変える!」という想いのもと、アジアを中心に高等教育を通じた未来のリーダー育成に取り組む国際協力NPOです。
現在大きな3つのプロジェクトが進行中。
「チベット難民問題」「スラム問題」「ネパール震災」。
レインボーチルドレンという団体名の通り、世界中へ虹をかけていきたい、日本からチベット・スラムへ。
その活動の一つとして「香り玉プロジェクト」が2015年から始まりました。これからニット製品でヒマラヤの女性達とオリジナルブランドの構築に向けてチャレンジしていきます。その第一歩が、今回のモンサンミッシェルとのコラボレーション。ヒマラヤの女性達が作ってくれた香り玉を皆様へお届けします。
Mont Saint Michelとのコラボレーション
2016年3月から5月まで、アロマトリートメントサロンMont Saint Michel(モンサンミッシェル)のキャンペーンとして、香り玉が各サロンに並びます。モンサンミッシェルは日本のアロマトリートメントサロンの先駆け的存在であり、アロマスクールやホテルスパ事業も手がける株式会社サンリツが運営しています。サロンでは、アロマテラピートリートメントをはじめ、リフレクソロジー、 クイック ボディケアなど、すべてのコースにおいて男女ともに利用できます。
今回のコラボレーションでは、9店舗のサロンでヒマラヤの女性達が作ってくれた香り玉とみらいの貯金箱が並びます。これから目指すニット製品でのヒマラヤの女性達とのオリジナルブランド構築の第1歩です。
香り玉との出会い
2014年の終わり頃、たかこさん(現:香り玉プロジェクトリーダー)との出会いがありました。
「この香り玉をヒマラヤの女性たちに作ってもらうことはできませんか?」
テーブルに並んだそれは、精油などの香りをポマンダーにしみこませ、香りを持ち運べる香り玉でした。ペンダントやストラップになる香り玉はアロマオイルを扱う女性に人気とのことで、販売に制作が追いつかない状況でした。
確かに、ダラムサラの露店にはニット製品が多く並び、女性たちは編み棒を動かしながら露店のお客待ちをしています。可能性があるかも。女性たちの収入の支えにもなるし、それが子どもたちの教育資金へとつながれば。。。
「今度の春に、見本を持ってインドへ行きます!」
香り玉インドへ
2015年3月のスタディツアーで、香り玉が初めて海を渡り、ヒマラヤを越えてダラムサラの街に到着しました。
早速露店の女性たちに聞き込み調査を開始します。この小さな香り玉を編むことができるかどうか。少量づつでもこの仕事を手伝ってもらえるか。
当初予想では、たくさんの候補者が現れる目論見でしたが、聞けども聞けども女性たちは首を横に振ります。
「これはむずかしいわ。他をあたって。ごめんね。」。。。
理由は大きさと編み棒でした。
ヒマラヤの女性たちが普段編んでいるのは、ヤクウールやウールのストールやセーターなどの大きなサイズです。香り玉は直径2センチほどで網目は細かく、一緒に持参したカギ針は女性たちが普段使うタイプのものではありませんでした。
予想外の反応。
何人かはその場でトライしてできるかどうかを確認してくれましたが、無理だわ~との反応です。
露店が並ぶストリートを端から端まで聞き回り、最後の店を過ぎたところで、諦めかけたその時でした。
「これならできるわ!作ったこともある。」
後に香り玉チーム第1号となるドルカーとの出会いでした。ドルカーのお店には子供用の靴下や、小ぶりなニット製品も並んでいました。故郷の父親が病気で大変だと話す彼女は、少しでも多くの収入が必要だとのことで、やる気満々。報酬面での条件も合い、持参した毛糸すべてを彼女に託し、試作品としてまずは作ってもらうことになりました。
試作品完成
日本へ帰国してすぐにドルカーより、全部完成したとの連絡を受けました。
日本へ送ってもらい確認すると、目が不ぞろいなものもあるけれども、概ね良好。
見本を渡しただけでこのレベルまでできるのであれば、じかに教えることができればきっと綺麗な香り玉を編むことができるはず。たかこ先生と相談し、次の秋のスタディツアーでインドへ行ってもらうことになりました。
たかこ先生インドへ
2015年9月、たかこ先生はついに香り玉と一緒にヒマラヤの向こう側へ飛び立つことになりました。
現地では2日間の日程を設け、ドルカーの他に、パッサン、ドルマという新たな希望者も加わり、先生直々のレクチャーをすることになりました。
香り玉教室1日目
初めての2人を中心に細かく教えながら、まずはひとつの香り玉を完成させます。そして2つ3つと作りながら、慣れてもらうことに重点をおいて、日本チームと楽しくコミュニケーションをとりながら進めました。2日後の第2回目の香り玉教室までに作れるだけ作って慣れてもらうように宿題も出されました。
香り玉教室2日目
2日目に驚いたのは、初日になかなか編めずに難しいかなと感じていたドルマが、飛躍的に編めるようになっていたことです。自習でかなりの量の香り玉にチャレンジしたとのことです。嬉しいですね。そして、本業がチュパ制作(チベットの民族衣装)で裁縫が得意なパッサンが、たかこ先生も認めるほど上達しました。
嬉しい成果が表れて、香り玉教室2日間の手ごたえを感じました。
この日は日本男子チームもトライして、みんなで楽しく編み物タイムでした。
ネパールで出会った女性たち
この2015年の秋スタディツアーでは、震災後のネパールを訪問予定に入れていました。そこで出会ったチベット難民キャンプや現地ネパールの女性たちは、図らずも編み物の仕事に従事し、力強く生きる姿を鮮明に魅せてくれたのです。
ジャワラケルキャンプの絨毯工場で働く女性たち。崩壊の危険から閉鎖された工場から、命懸けで織り機を運び出したお母さんたちの底抜けのこの笑顔に癒されました。
ノットクラフトの女性経営者シャムさん。編み製品の独自ブランドを構築し、大勢の女性たちの働く場を作り出す太陽のようなパワーに、みんなが魅了されました。
地震で多くが生命を失ったランタン渓谷の女性たちが、日本人女性MOMOさんのプロジェクトに参加して、ミニ卓上織り機を使って仕事をする現場も見学させていただきました。
生徒からの便り
帰国して1ヶ月以内に完成の連絡、そして次の糸の要請がありました。
送られてきた写真(左)、届いた現物(右)ともに完成度が上がり、目も細かくそして均一の品質に近づいてきています。
この香り玉は、モンサンミッシェルとのコラボキャンペーンに使われます。
そして、香り玉から発展形のニット製品ブランド構築のため、この2016年春スタディツアーで再び現地へ行ってまいります。今後の報告を楽しみにしてください。
香り玉in 2016春スタディツアー
- 第1回香り玉教室レポート
kaoridama