▽第3期計画

 

再びレインボースクール開校へ

2015年秋、グジャラティスクールへの経営支援を終え、次は2万人が住む同じスラムで「レインボースクール」という新しい学校をつくる方針が決定しました。

ついにインドのスラムで学校をつくることになりました!

昨年からのスラム学校建設プロジェクトは紆余曲折がありました。学校建設のためにReadyfor?で資金を募り、いざ現地を訪れた際にいま学校は不要だという最終判断を下し、閉鎖の危機にあったグジャラティスクールの経営支援へと方向転換をしたのが昨年の秋でした。それより1年が経過した今回は、同じスラムでレインボーチルドレンが目指す学校づくりを始めることが決まりました。

 

レインボースクール開校に向けての準備

【開校時期】 2015年12月もしくは2016年1月(予定) 中止

【場所】 インド・デリー市内シャディプール駅近郊のスラム

【建物】 既存の住居を改築し、2教室約40~50名が学べる学校となる予定です

【予算】 約50万

 

学校の設計について 

最短年内の開校を目指すというスケジュール感のため、帰国後さっそく打ち合わせをしてきました。

第六回スタディツアー参加の近藤くんです。

20151025_124649

神戸大学の大学院で彼が研究したのは「スラムにおける建築設計」。昨年秋にスタディツアーに参加し(研究のため10日間ほど早く前のり)実際にスラムに滞在して練り上げ、今年春に完成発表した論文は芦澤竜一賞を受賞していました。

春先にレインボーチルドレン合同で論文発表イベントをやろう!と言っていたのですが、ネパール震災以降の対応で実現できていませんでした。今回スラムで学校改築を始めるにあたり、真っ先に浮かんだのが近藤くんです。彼に相談を持ちかけて、スラムでの学校づくりの設計部分にアドバイスをもらおうと考えたのです。

20151025_134634

そこで初めてみた彼の研究論文に感動しました。

というより、衝撃をうけました。

20151025_134641

提案されている「地場産材を活用したコモンワークプレイス」。

例えば、この建築の提案内容は学校や住宅としても適用可能なのです。

模型として作られている学校は、つい今月ネパールで視察し、その快適な学びの空間に心を奪われた「竹の学校」だったのです。雨が降るたびに1階部分が浸水するスラムですが、1階部分を補強した従来のレンガ造り、2階部分を竹にすることで、あの明るくて涼しい教室を実現していたのです。

20151025_134706
2階部分が竹で設計されたスラムの学校
カトマンズで視察した竹の学校 2015.10.9
カトマンズで視察した竹の学校 2015.10.9
快適な竹の教室の内部 2015.10.9
快適な竹の教室の内部 2015.10.9

そして、単に住居、学校という単体の建物ではなく、彼が提案しているのは、ソーシャルデザインにおける街づくりの提案でした。

20151025_134644

スラムの中にコワーキングスペースの提案。それは女性たちが工芸品などを制作する共同ファクトリーを、それをとりまく子どもやトイレ、排水の問題の解決とともに街づくりの提案でした。しかも住人たちが自分たちでできるように、簡易さとコスト面が配慮された設計でした。

20151025_13470220151025_134648

頭の中のどこかにあった、まだイメージにも言葉にもなっていなかった世界が、目の前にありました。

今回改築する平屋の学校は、将来の2階部分増設を視野に入れていました。

その増設する教室は竹の教室になることが頭の中で決定した瞬間でした。

そして、スラム全体の環境を改善する街づくり。。。

今は社会人1年目として設計会社で働いている彼の夢は、この街づくり設計をスラムで実現すること。

1級建築士になる2~3年後にその夢をレイチルと共にするかも知れません。

そして、急いでいる今回のリフォームに関しては、専門家視点からのいくつかのアドバイスをもらいました。
これからレインボースクール実現に向けて、動き出します。

 

レインボースクール計画の中止について

2016年4月に計画中止を公表しました。

中止に至った経緯と、今後のスラムプロジェクトの方向性については、「スラム第3期計画の中止について」をご覧ください。

 


社会的背景と問題意識スラムの子どもたちを支える橙