スラム奨学生第一号誕生!スラムの若きリーダー、サンタン23才

 

この秋は2回に分けてインドを訪問しました。1回目(8/31-9/12)はスラムプロジェクトのみの活動、2回目(9/24-10/9)はスタディツアーを含めた全体プロジェクトの活動でした。

前半はスラムプロジェクトにおいて、今後の協働先を決めるためにあらゆる選択肢を探りました。事前にインド中央政府・デリー州政府それぞれの教育セクションや最大規模のNGOとアポイントを入れ、現地ではスラムから生徒を集めた高校を運営する大規模な教育機関、小規模NGOも加えて訪問し、レインボーチルドレンのビジョンと方向性が重なり、かつ、お互い信頼してスラムへの長期的支援活動ができる協働先を絞り込んでいきました。

その中で浮上したのが、現地NGO:Wahoe Communeでした。

まずは、Wahoe Communeが本拠地を置くインドの首都デリーで最大のスラムの映像をご覧ください。

 

現地NGO:Wahoe Commune(ワフーコミューン)

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Wahoe Communeはインド・デリーに本拠地を置く2003年にスタートしたNGOです。さきほどの映像に写る巨大なスラムから活動が始まり、現在は北インドを中心に14のプロジェクトを手掛ける若い集団です。

  • Our vision:
    We envision a day in Wahoe commune when hunger and education is not a barrier for children to lead productive lives and reach their fullest potential.
  • Our mission:
    It is to train the future leaders, teachers and healers of the world through discipline, quality academics and a strong sense of self.

メインはスラムへの教育支援で現在5つの学校を運営しています。女性支援に力を入れているのも特徴です。

前半活動では、デリーのスラムの学校を3回訪問し、創設者との面談、デリー責任者との数回の食事を経て、協働先としての考えを固めていきました。

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Wahoe Commune School(ワフーコミューンスクール)

本部事務所があるニューデリーのBaljeet Nagarは、1946年から形成されていった首都デリーで最も歴史が古く、最大のスラムです。現在およそ35,000人~37,000人が居住する巨大なスラムにはいくつかの学校が存在しますが、その中のひとつがWahoe Communeが運営するワフーコミューンスクールです。

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現在45人が通うこのスクールには2つの教室がありますが、ご覧の通りぎゅうぎゅう詰めの状態です。経費の問題からボランティア教師を中心に運営し、子どもたちの教材や筆記具も足りない状態の学校です。それでも子どもたちはここへ来るのが大好きで、授業開始前から集まってきて、教室の掃除を始めます。

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前半訪問では日本人ボランティア学生による授業を行ったり、後半スタディツアーで訪れた時は、バルーンアートや塗り絵、ゲームをしてみんなで遊びました。

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スラム出身の若きリーダー、サンタン

学校の運営とデリーでの事業をすべて任されているのは、このスラム出身のサンタン(23歳)です。自力でデリー大学を卒業し、現在はNGO Wahoe Communeのデリー責任者として働いています。

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普段はNGOの収益源となる旅行代理店部門の仕事をしていますが、先生の手が足りないため週3回ほど教師の代わりを務めることもあります。子どもたちのお兄ちゃん役のような存在です。

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そんなサンタンの夢は、

  • 大学院で経営を学び、NGOの収益力を向上させること
  • ワフーコミューンスクールを45名→200名にすること
  • デリー中のスラムに学校をつくること

です。彼と何度も会いその夢を聞く中で、レインボーチルドレンがスラムプロジェクトで実現したい方向性と、彼の夢が重なっていることに気が付いたのです。

 

スラム奨学生第1号サンタンの誕生!

レインボーチルドレンは高等教育の奨学金を運営し、未来のリーダーを育てていく団体です。一方で、スラムにおいては学校に通えない子どもたちの初等教育の裾野を広げたい気持ちが強くありました。3度にわたるレインボースクール(スラムの学校)計画も、初等教育に関わるものでした。

しかし、サンタンの大学院進学をサポートすることで彼がリーダーとして持てる力をさらに引き上げ、ワフーコミューンスクールの充実によって子どもたちが学ぶ機会を広げることは、レインボーチルドレンが初等教育に直接関わることと同じインパクトとなります。いいえ、より望ましいスキームなります。スラム出身のサンタンがリーダーシップを発揮することで、その効果が最大化されるのです。

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そして、驚いたのですが、このスラムには大学や大学院で学びたい若者がたくさんいました。将来サンタンに続く奨学生が誕生し、スクールの子どもたちもサンタンのようになりたいと勉強を頑張ることで、リーダーがたくさん生まれ、デリー中のスラムに学校をつくることも夢ではないかも知れません。

最後に、サンタンからのメッセージをご覧ください。

奨学生サンタンの大学院への入学は間もなくです。

応援をよろしくお願いします!


今年度、チベット難民30名とスラムからサンタンを迎えて、レインボーチルドレン奨学生は66名となりました。全員がインドの大学や大学院で学んでいます。

レインボーチルドレンは、インド・チベットの若者から未来のリーダーを育てる「レインボーチルドレン奨学金」を運営するNGOとして、リーダーたちが変えていく未来を応援します。

あなたも一緒に教育から世界を変えていくレインボープロジェクトに参加しませんか?

1口1000円からのマンスリーサポーター(継続寄付)を募集しています。

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再び直面したスラム撤去と今後のスラム支援の方向性

 

「あのスラムは6月に強制撤去されたようです!!」

インターンのダイキからの報告でした。

この秋のスタディツアーにおいて、ダラムサラにあるごみ山に隣接したスラムを訪問しようと計画し、ダイキがそのスラムの調査にあたっていました。

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「え?ダラムサラにスラムがあるんだ?!」

そのスラムに関心を持ったのは、今年春にペトンスクールを訪れたときに見せられた一枚の写真からでした。

ペトンスクールはキッズカメラプロジェクトで生徒たちにカメラを提供しているチベタンスクールです。

写真部の先生のパソコンで見せてもらった写真の中に、ごみ山と牛が写されたスラムの一枚がありました。生徒が撮ったものです。

スラムプロジェクトで見てきた首都デリーに存在する無数のスラム、首都近郊の都市メーラトで見た巨大なごみ山スラム、そしてムンバイで視察した世界最大規模ダラヴィのスラム。その他、世界中に分布するスラムは都市部に存在する社会問題だという認識がありました。

地方都市や農村部にももちろん貧困地域は存在します。しかしそれは、都市部への出稼ぎや不法居住といった「都市型スラム」とは異なる形成過程をもち、ごく小規模なものです。

ダラムサラは北インドの山間部とその裾野に広がる地域であり、お世辞にも都市部と言えるような場所ではありません。

あとで判明したのですが、写真のダラムサラのスラムは800人が居住していました。しかも、他にもスラムが点在しているという話です。

ダラムサラにおけるゴミ問題にも関心があり、その集積地に隣接するスラムの形成過程や、住民たちの生活、子どもたちの教育状態を調査する目的で、訪問を計画していました。

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スラム解体によって300家族が住居を失ったことを報じたヒマーチャル・ウォッチャーの第一報(2016.6.20)。

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ダラムサラ市長の通告・対応と、スマートシティ計画を報じたヒマーチャル・ウォッチャーの第2報(2016.6.23)

2022年までにすべての国民に住居を提供することを掲げたモディ内閣の政策 “Housing for All by 2022”  Missionについても触れています。

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立ち退き11日後。今回の措置は、住宅・衛生・教育・水への権利という基本的権利を無視したものであり、任意立ち退きの前に突然行われたことを報じるヒマーチャル・ウォッチャーの第3報(2016.6.29)

ここには35年間住み続けてきたスラムの住民たち1500人の権利と共に記事が書かれています。

 

ちなみに、このスラムは解体後、住民たちは幾つかの場所に分散されており、視察は困難となりました。今回の秋ツアーでは、これまでこのスラムを支援してきた現地NGO Tong-Len Charitable Trust の事務所を訪問して、詳細を伺うことになっています。

今年の春にスラム第3期計画の中止を決断したときも、背景には昨年末にニューデリー西部で突然スラム撤去が始まり、またたく間に1200世帯がブルドーザーで壊された事件がありました。

もはやインドにおいてスラムを支援対象とする場合、現在の居住地区と一体化した「場所」で捉えるのは難しいのかも知れません。学校建設を考えた場合、将来撤去されるリスクが必ず存在します。変動する要素をベースに計画を立てるのではなく、そこに住む子どもたちという「人」単位で教育支援のあり方を構築する必要がありそうです。

それらを受けて、現在インド行政もしくは現地NGOとの協働の道をさぐるための活動を始めました。またご報告致します。

 

 

世界まる見え!テレビ特捜部でインドの青空教室が紹介されました@(6/13放映)あなたの知らない世界の学校SP

 

レインボーチルドレンがインド・デリーで支援を行っている青空教室が、世界まる見え!テレビ特捜部(日本テレビ系列、毎週月曜日19:56 – 20:54)で紹介されました。

https://youtu.be/L2x1PgGWIOI?t=944

※一部環境によっては番組冒頭からの再生となりますので、15:44からご覧ください。

 

今回のあなたの知らない世界の学校スペシャルでは、

  • インド・世界最大の5万人のマンモス学校
  • イギリス・次世代のキャサリン妃を目指すプリンセス養成学校
  • 中国・河南省のカンフー学校
  • 狼がうろつく山道を行くキルギス共和国の子供
  • うだるような暑さの中貧しい村の医師になりたいと夢を馳せ長距離を移動するマダガスカルの子供たち
  • 10代の母親たちを専門に受け入れている高校がコロラド州の学校などが紹介されました。
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今年春に青空教室を訪問したときの写真(2016.3)

 

その中で、「○○の下の学校」という始まりでインド・デリーの青空教室が紹介されました。

学校に通えない子どもも多い。

貧しい子どもたちに何とかして教育を受けさせよう。

橋の下の学校~

 

子どもたちへのインタビュー

「ここで何をするの?」

「読み書きを習うんだ!」

「勉強してどうするの?」

「軍隊に入るか警察官になりたい!」

「僕は医者になりたい!」

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子どもたちとたくさん遊びました(2016.3春スタディツアー)

 

 

授業の開始~

ー毎日2時間、基本的な読み書きや計算などを無料で教えているー

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カメラをむけるとみんな集まってきます(2016.3春スタディツアー)

 

創設者ラジェッシュさんのインタビューもありました。

「ここは勉強を教えるだけでなく、社会のルールを教える場でもあると考えています。」

雑貨屋の店主でもあるラジェッシュ先生のお店の様子も映されました。

「お金も時間も無駄じゃないかという人もいますが、子どもたちを教育するのは大人の義務だと思っています。あの子たちには立派な大人になって欲しいです。」

レインボーチルドレン 青空教室

わずか2分の内容でしたが、青空教室の様子、子どもたちの様子が紹介され、ラジェッシュ先生の思いが伝わる内容でした。

 

レインボーチルドレンが3月に訪問したときのレポートはこちら。

レインボーチルドレン 青空教室
日本の子どもたちが使わなくなった色鉛筆やクレヨンをプレゼントしてキャラクターの塗り絵をしてもらいました(2016.3レインボーペンジルプロジェクト)

 

5月に駐在インターンのダイキがキッズカメラプロジェクトを実施したときのレポートはこちら。

レインボーチルドレン 青空教室
青空教室キッズカメラの12名のメンバーたち(2016.5)

 

先日のイベントで、阪急百貨店の大スクリーンに青空教室の子どもたちが撮った写真を紹介したときのレポートはこちら。

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阪急百貨店うめだ本店H2Oサンタチャリティトークイベント(2016.6)

 

また、青空教室は過去にいくつかの日本メディアでも紹介されています。

 

地球へのラブレター展@京都市国際交流会館5/18~5/22

 

今日から始まった「地球へのラブレター展」にやってきました。

スラムの子どもたちが描いた絵の晴れの舞台です♪

南禅寺の真向かいの京都市国際交流会館の2Fが展示会場です。

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エントランスではこのポスターがお出迎えしてます。

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想像していたよりもかなり広い会場です。

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地球へのラブレターinスラムを企画してくれて、2014年春に一緒にインドへ行った、NPOおとくにパオ創設者の森口和子さんが案内してくれました。

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まずは地球へのラブレターの原型となったノブコ・ウエダさんの作品から。2008年に8万人もの命が奪われた四川大地震がきっかけとなったことが書かれています。

 地震などの天災だけでなく、この地球上には原発事故や戦争など人間が招いた悲劇によって多くの命が奪われ、大地は震え、森は叫んでいます。

今、生かされている私たちはこの地球の中でしっかり大地を踏みしめて、森に射す一筋の光に希望を抱き、子供たちの命を守り、自然を守っていかなくてはなりません。

20センチ角のボードはその後「地球へのラブレター」として繋がり多くの人々、子供たちの地球へのメッセージカードとなってラブレターを描き続けています。

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20センチ×20センチに貼られた、地球の惨状を伝える新聞と、その上に重ねられた木の葉。

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それが200枚近く繋ぎとめられてひとつの作品となっています。壁一面の巨大な作品です。

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会場にはインドのスラムの子どもたちの作品の他にも、アメリカ、ドイツ、日本の子どもたちが描いた「母なる地球へのラブレター」がびっしりと展示されています。

かわいらしい作品がいっぱい。

しかし、

地球の未来を担っていく子どもたちから、物質的な価値と成長を追い求める今の大人たちへの、お願いにも見えました。

そして時折、地球からの悲痛な叫びにも見えたりするのです。

(クリックするとギャラリー表示がポップアップします)

↓ ↓ ↓

 

目にとまった作品を紹介します。

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小さな鶴の折り紙で作られています。

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ハートのオブジェが縛りつけられています。

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黒い背景と平和の文字にギャップを感じます。

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オラウータンででょうか。それとも愚かな人間でしょうか。。

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こんなコラージュの作品も多くありました。

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地球の未来を予言?!

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対照的な写真の間にはファストフードの象徴が。

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普通の地球かな?と思ったら真ん中に赤い傘が。

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本当の地球へのラブレターが。

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枯れ葉でコラージュされた作品。

この他にも素敵な作品がたくさんあります。

インド・アメリカ・ドイツ・日本の子どもたちの違いを楽しむのもよいかも知れません。

皆さんの心に届くラブレターがきっとみつかると思います。

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  • 入場無料
  • 5月18日~5月22日 10:00~17:00
    (最終日は16:00まで)
  • 京都市国際交流会館 京都府京都市 左京区粟田口鳥居町2−1

京都の東山を散歩のついでに、ぜひお立ち寄りください。

Facebookのイベントページはこちら

 

スラム第3期計画の中止について

 

レインボスクール建設の中止について

いつもレインボーチルドレンを応援いただき、誠にありがとうございます。この度、レインボースクール第3期計画における、スラム(シャディプール)学校建設計画を中止することを決定致しました。中止に至った経緯と背景をご報告致します。

レインボースクール第3期計画

 

建設費用の見積もり額について

新学校建設を決定した昨年10月以降、建設着手を急ぐ現地に対して正確な見積額の提示を求めました。

当初出てきた概算提示額は、建設計画現場を視察した上でのこちら側の所定経費に対し、2倍ほどの金額でした。当然受け入れる訳にはいかず、他ルートで現地の材料調達費・人件費の把握を進めながら交渉を重ねました。

しかし、この金額が必要最低限だとする現地建設責任者はいっこうに譲らず、我々の提示額を受け入れてもらえることができませんでした。

学校建設予定地でみなさんと一緒に 2015.10.2
学校建設予定地で周辺住民と一緒に 2015.10.2
我々が提示額を譲りたくなかった理由

もちろん提示額をすんなり受け入れ、早期に着手することは可能です。しかし、デリーのスラムは政府の政策によって否応無しに突然撤去される事実があります。我々には、皆様よりお預かりした大切な支援金を無駄にしたくはないという想いがありました。

事実、シャディプールのスラムは移設計画の青写真が存在し、一部移転住居の提供も開始されています。しかし、留まりたい住民側の意向との狭間で、”いつ”それが実行されるのかは不明でした。

新しい学校の建設を待ち望む子どもたちがいる一方で、将来の撤去を踏まえて最低限の設備で学ぶ場を早く提供したい我々の想いと、余分な設備と人件費を盛り込みたい現地責任者との交渉でした。

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シャディプールスラムの子どもたちと

 

突然のスラム撤去報道

そこへ電撃のニュースが走りました。ニューデリー西部で突然スラム撤去が始まり、またたく間に1200世帯がブルドーザーで壊されたのです。

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スラム撤去の報道

ちょうど見積り段階のタイミングで起きた別のスラムの撤去報道は、厳しい現実の実例でした。シャディプールのスラムにおいても「まだ(撤去は)ないかも知れない」ではなく、「将来確実にある」へと認識は変わりました。

「(撤去は)ない」と答えていた現地関係者は沈黙しました。それ以降、現地はこの事実に触れず、交渉も進みにくくなりました。

インドにおける学校建設の現実

インドでは学校建設は大人たちにとってはビジネスになります。数十万~数百万の建設予算は、現地ではまだまだ巨額な金額です。建設や運営に絡んで外国や政府から入るお金が、彼らの生活を潤す仕組みです。

学校の建設によって恩恵を受けるのは子どもたちだけではなく、そこへ関わる大人たちも含まれてしまうのです。それは決して現地NGOも例外ではありません。全てではありませんが、一般的なインド人がイメージする学校建設は、残念ながらそのようなものです。

その意味においても、直接関与することや、現地パートナーとの関係は非常に重要だと言えます。

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学校建設予定地周辺

 

一番大事なことは

明日突然撤去されるかもしれないスラムでは、建物の上物にお金をかけることが大事なのではなく、学校という建造物の前に、まずは教育を受けたい子どもたちが当然の権利として教育を受けられる機会を生み出すことが一番大切だと考えました。

その時に、ニューデリーのメトロ高架下で行われている青空教室の存在を知りました(訪問レポート後述)。学校という建物に拘っていた我々は、壁がなくても、机がなくても、教える大人たちと学びたい子どもたちが集まれば、そこは学校なのだと気付かされました。

教育の本質に目を向けること

レインボーチルドレンは、今本当に一番必要で、無駄にならないこと、に大切な支援金を使いたい。インターン以外に現地人材がいない我々にとって、建設計画やその後の学校の運営を任せる現地責任者は重要です。信頼を預けることができて、教育の本質への想いに共感できるパートナーとして、今回の現地責任者は不適でした。教育への想いよりビジネスへの想いが強かったのです。

一度走り出すと後ろに戻れないのが学校建設です。将来の後悔を未然に防ぐためにも、シャディプールのレインボースクール計画を白紙に戻すという判断に至りました。

 

今後のスラムプロジェクト取り組み

学校建設計画をあきらめない!

しかし、レインボースクールは必ず実現させます!
政府が関与しないスラムという難易度が高い区域において、様々な障害を乗り越え、時期を探りながら、スラムの問題を解決するための学校・地域コミュニティ一体型の提案に取り組んでいきます。
そのためにも、この問題を研究する研究生・専門家で参加・助言をしていただける方がおられましたら、ぜひともご協力ください。今後もさらに多くの方の参加をお待ちしています。
NPOレインボーチルドレンへのお問い合わせ

 

学校建設以外の方向性

学校という建物にこだわらない方向の一つの選択肢として、メトロ高架下の青空教室支援に対するアプローチを始めました。

  • インド・橋の下の青空教室訪問 (2016.2)
    メトロ高架下で220人のスラムの子どもたちが学ぶ、Free school under the bridge in Delhiを訪問しました。

青空教室

青空教室訪問レポートへ

 

ストリートチルドレンへの関心

スラムの質素な住居さえ失った子どもたちへの、基本的住居と基礎的教育支援についての支援に対するアプローチを始めました。

  • インド・ストリートチルドレンNGO視察 (2016.2)
    路上の子どもたちを保護する18のシェルター等を運営するNGO Sallam Baalak Trustを訪問しました。SBT

ストリートチルドレン視察レポートへ

 


 

レインボーチルドレンは、これからもインドのスラム問題について真正面から取り組んで参ります。今後もあたたかく見守っていただきますよう、宜しくお願い申し上げます。

 

<スラムプロジェクト>

社会的背景と問題意識レインボースクール計画スラムの子どもたちを支える橙

 

デリーの日本人宿 サンタナデリー

 

インドでの活動拠点のひとつ、スラムのあるデリーには日本人宿サンタナデリーがあります。ニューデリー駅から徒歩10分、メインバザールからは徒歩1分というアクセスの良さで、多くの日本人バックパッカーの拠点となっている人気ゲストハウスです。

プリー、コルカタ、デリー、バラナシ、京都に展開するサンタナグループのひとつです。

ようこそインド・サンタナへ

サンタナグループでは日本とインドの懸け橋となるべく、日々、草の根活動に勤しんでいます。
60年前のプリーでの外国人用レストランから始まったサンタナは、今ではインドのデリー・コルカタ・バラナシ・プリーに日本人宿を広げています。そして今年、京都にもゲストハウスをオープンしました。各宿には日本人スタッフも常駐しており安全・安心・高いコストパフォーマンスのサービスを提供しています。

また、ビジネスやご家族でご利用いただける「ホテル・サンタナ」、日本語も教えている現地小学校「チャンドラ・セカール・アカデミー」、日印交流のためのインド側NGO「India Japan Friendship Center」、日本側NPO「インド日本友の会」を運営。サンタナはインドでの、バックパッカー・観光旅行・チケット手配・ボランティア・ビジネス・各種習い事、などのサポートを行います。インドをより深くより多面的に知り、思いっきり遊ぶための情報が満載!!

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プリーではこの年末年始に楽しげな野外ライブがあります!

 

その日本人宿サンタナデリーのオーナーのちーちゃんが、先日学校建設計画を進めているスラムを訪れてくれました。ガイド役はインターンのゆうかちゃん。

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インド滞在は長いそうですが、初めてデリーのスラムを訪れた体験をブログに綴ってくれました。

 

わたしは、”アルプス一万尺”で一躍人気者に!!

何回歌ったか分かりませんが、女の子たちの喜ぶ姿が可愛くて☆

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だんだんノってきてインドっぽい振り付けにアレンジされていったりして面白かったです。

☆ブログ全文はコチラ→ indiasantanaの日記

 

スラムの子どもたちの歓迎を受けて、楽しい経験ができたことと、今後できることがあれば手伝いたいとの、ありがたい言葉をいただきました。

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汚い、くさい、危険、、との先入観があるスラムですが、これまでスタディツアーでスラムを訪れた参加者はみなスラムのとりこになっています。そして、僕もスラムはパワースポットだと思っています。

やはり、直接訪れて自分で体験してみないと分からないですね。ただ、危険な場所が存在するのも事実です。確かな情報のもとに、きちんとガイドを伴って、マナーを守った訪問をすることが必要だと考えます。

現在計画中のレインボースクールが開校した暁には、現地スラムツアーを計画しています。スタディツアーでなくても、デリーを訪れた日本人ツーリストがこのスラム体験ができるように。もうしばらくお待ちください。

インドでは思うように計画が進んでいきませんが、着々と各プロジェクトを進行中です。

 

☆12月寄付月間☆虹色のみらいへ寄付をお願いします

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  • 100円より
  • SoftBankユーザーはケータイ利用料とまとめて寄付ができます
  • docomo、au等の他ユーザーはクレジットから寄付ができます

学校をつくります!レインボースクール@スラム

 

ついにインドのスラムで学校をつくることになりました!

昨年からのスラム学校建設プロジェクトは紆余曲折がありました。学校建設のためにReadyfor?で資金を募り、いざ現地を訪れた際にいま学校は不要だという最終判断を下し、閉鎖の危機にあったグジャラティスクールの経営支援へと方向転換をしたのが昨年の秋でした。それより1年が経過した今回は、同じスラムでレインボーチルドレンが目指す学校づくりを始めることが決まりました。

 

レインボースクール開校に向けての準備

学校についてはこれから順次レポートをしていく予定ですが、概要だけ先にお伝えしておきます。

【開校時期】 2015年12月もしくは2016年1月

【場所】 インド・デリー市内シャディプール駅近郊のスラム

【建物】 既存の住居を改築し、2教室約40~50名が学べる学校となる予定です

【予算】 約50万

 

学校の設計について 

最短年内の開校を目指すというスケジュール感のため、帰国後さっそく打ち合わせをしてきました。

第六回スタディツアー参加の近藤くんです。

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神戸大学の大学院で彼が研究したのは「スラムにおける建築設計」。昨年秋にスタディツアーに参加し(研究のため10日間ほど早く前のり)実際にスラムに滞在して練り上げ、今年春に完成発表した論文は芦澤竜一賞を受賞していました。

春先にレインボーチルドレン合同で論文発表イベントをやろう!と言っていたのですが、ネパール震災以降の対応で実現できていませんでした。今回スラムで学校改築を始めるにあたり、真っ先に浮かんだのが近藤くんです。彼に相談を持ちかけて、スラムでの学校づくりの設計部分にアドバイスをもらおうと考えたのです。

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そこで初めてみた彼の研究論文に感動しました。

というより、衝撃をうけました。

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提案されている「地場産材を活用したコモンワークプレイス」。

例えば、この建築の提案内容は学校や住宅としても適用可能なのです。

模型として作られている学校は、つい今月ネパールで視察し、その快適な学びの空間に心を奪われた「竹の学校」だったのです。雨が降るたびに1階部分が浸水するスラムですが、1階部分を補強した従来のレンガ造り、2階部分を竹にすることで、あの明るくて涼しい教室を実現していたのです。

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2階部分が竹で設計されたスラムの学校
カトマンズで視察した竹の学校 2015.10.9
カトマンズで視察した竹の学校 2015.10.9
快適な竹の教室の内部 2015.10.9
快適な竹の教室の内部 2015.10.9

そして、単に住居、学校という単体の建物ではなく、彼が提案しているのは、ソーシャルデザインにおける街づくりの提案でした。

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スラムの中にコワーキングスペースの提案。それは女性たちが工芸品などを制作する共同ファクトリーを、それをとりまく子どもやトイレ、排水の問題の解決とともに街づくりの提案でした。しかも住人たちが自分たちでできるように、簡易さとコスト面が配慮された設計でした。

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頭の中のどこかにあった、まだイメージにも言葉にもなっていなかった世界が、目の前にありました。

今回改築する平屋の学校は、将来の2階部分増設を視野に入れていました。

その増設する教室は竹の教室になることが頭の中で決定した瞬間でした。

そして、スラム全体の環境を改善する街づくり。。。

 


 

今は社会人1年目として設計会社で働いている彼の夢は、この街づくり設計をスラムで実現すること。

1級建築士になる2~3年後にその夢をレイチルと共にするかも知れません。

 

そして、急いでいる今回のリフォームに関しては、専門家視点からのいくつかのアドバイスをもらいました。
これから年内完成に向けて、動き出します。

続く。

TEDxShimizu佐藤理事プレゼン

 

去る3月にTEDxShimizuで、レインボーチルドレンの佐藤理事がプレゼンテーションをしました。

メンバーは3月のスタディツアーでインド訪問中でしたので参加できませんでしたが、帰国後にアップされたYou Tubeを見て感動しました。


以前から、憧れていたTED、TEDxだったので、
自分がここに立たせて頂いたことに、
心から感謝している。

プレゼン内容は、僕の研究に込めた想い。
仕事ではなく、個人でも進められる、
エネルギーの源。

未来を生きる子どもたちに、
より良い世界を残したい。
僕たち人間が汚した自然を
僕たち自身の手で浄化できたら。
僕のような普通の会社員でもできること。
”自分も何かやってみよう”っていう、
キッカケになれば嬉しい。
みなさん、よろしければご視聴ください。

まずは、ご覧ください。

 

佐藤さんと、YOUの研究にかける思いは昨年Ready For? のプロジェクトで詳しく紹介させて頂きました。

▼2014.5.27記事 (いいね!数490)

https://readyfor.jp/projects/slumschool/announcements/9850

▼2014.5.28記事 (いいね!数338)

https://readyfor.jp/projects/slumschool/announcements/9883

 

ちなみにYOUはレインボーチルドレンのメンバーでもあります。

▼公式サイト メンバー紹介ページ

http://rainbowchildren.holy.jp/member

 

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この秋、佐藤さんとYOUはインドのスラムに行く予定です。

皆さま、「水質浄化装置YOUプロジェクト」をぜひ応援ください!

インド首都デリー、スラム一掃に最低5000億ルピー…州予算の1.5倍

 

こんなニュースが飛び込んできました。

デリーのスラムを一掃するためには、5000億ルピーという州予算の1.5倍におよぶ予算が必要であるとの試算が発表された。

同州の昨会計年度の支出は3500億ルピーであった。

デリー都市シェルター改善局は既にこれに関する詳細な報告を都市開発機構に対し提出している。

同市内では675ヶ所のスラム地区に30万世帯以上が拡がっており、以前にも同様の計画が提出されたことがあったが実現していない。

2008年にこれらの世帯を移住させるための住宅建設が始まり、2年前には1万4千世帯分以上が使用可能になったにも関わらず、バワナにある居住区に8ヶ所から266世帯が移住したにすぎない。

現在も4万5千棟の住宅が建設中であるとタイムズオブインディアは伝えている。

レスポンスより http://response.jp/article/2015/04/14/248963.html

 

デリーのスラム移転計画に、1兆円

5000億ルピー、現在の円に換算すると約1兆円。他にも社会インフラ、医療、教育など課題が多いインドで、実現可能な計画なのかどうかは分かりません。既に2008年より移転建設が始まるも遅々として進まないこのプロジェクト、果たして何十年かかるかも検討がつかない。もしかすると何十年かかっても、何も変わっていないかも知れないという危機感を覚えます。

以前お伝えしたインドネシアの国家スラム撲滅プログラムの記事では、インドネシア政府が予算384兆ルピア(日本円換算約3.5兆円)をかけて、3286ヶ所のスラムを2019年までにゼロにするという意欲的な計画を紹介しました。こちらは、予算の80%を地方や企業に求め、期限を5年に設定しています。ゴールの設定がされており、より現実的に進んでいくかも知れない。

 

デリー市内に675ヶ所30万世帯のスラム

今まで、デリーにある大型スラムは約50ヶ所と聞いていましたが、小さな数十世帯のコロニーも含めると実に675ヶ所もあるのですね。レインボーチルドレンが支援するグジャラティスクールのあるスラム(シャディプール、約5000世帯20000人)は、デリーでも最大規模です。同じく世帯4人平均で計算すると、デリー市内には約120万人がスラムに暮らしている計算になります。果たしてそれだけの移住用の住宅を準備することは可能なのでしょうか。また、計画が延びるほどスラム人口は膨らんでいく傾向にあり、都市への人口流入が生み出す都市型スラムの問題はとても深刻です。

 

シャディプールのスラムの移転計画

シャディプール在住のデリー支部長サージャン、そしてグジャラティスクールのネルー先生からの情報では、(シャディプール)スラムの土地は企業への売却が完了しており、移転用の住居も建設されているらしいとの情報です。「らしい」とは、行政からスラム住人にそういった説明もされておらず、移転計画のどの段階にあるのかをまったく知らされていないことを理由としています。一度グジャラティスクールの増築案を持ちかけた時も、このよく分からない移転計画が行く手を阻みました。

移住用の住宅が完成した場合、すぐに移転は始まるのでしょうか?

 

1万4千世帯分以上が使用可能、でも、、

文中には2年前に1万4千世帯分以上の移住用住宅が準備できたのにも関わらず、わずか266世帯しか入居していない事実が伝えられています。理由は何でしょうか?

デリーのスラムでは、地方から仕事を求めてやってきて、高い賃料の一般的な住居に住むことが不可能なのでスラムに住み込むという図式があります。インドの経済成長とインフレは、異常な地価上昇や賃料の上昇を招き、とても出稼ぎの収入では入居できない水準にあります。

そこで、政府から移住用の住宅が提供されるというと一見ありがたい話に聞こえますが、問題はそんなに単純ではありません。場所です。当然地価の高い中心部に住宅が準備されることは少なく、郊外となるでしょう。そうなると現在の仕事と切り離されることになるのです。それが移住を阻む原因のひとつだと考えます。

スラムの人々は元々仕事を求めて地方から移住してきて、現在は何らかの仕事についています。シャディプールのスラムの例では、ラジャスタン地方出身だとダンスや太鼓が得意なのでそれらの職業を、ビーハー出身だとリキシャ運転手や髭剃り、ハイデラバード出身だと物乞いや路上商売、マハラシスター出身だと主に家政婦、ラックナウ出身だとごみ拾い、というように職業カーストに応じた仕事に就いています。

 

グジャラティスクールはどうなる?

また、子どもたちの学校の問題もあります。スラムコロニーが取り壊されると、現在のグジャラティスクールも無くなります。もともと認可学校ではないので、移転先に新たな学校が準備される訳ではありません。

スラム移転は、住環境がコンクリートの小さな部屋に詰め込まれるだけでは、何も変わりません。衛生は改善されるでしょう。でも教育の環境は変わらず、そのスラムを生み出した格差問題については変わらないままです。

都市の見た目だけを変えたいという行政側の思惑であれば、問題が見えない化されることでいっそう深刻な問題になりかねません。

グローバル規模で進む人口の増大と、格差が生み出す都市への人口流入、そして都市型スラムの形成は資本主義と貨幣経済が途上国に生んだ構造だと感じます。それは先進国の責任でもあり、我々日本人にもその責任があるのではないでしょうか。

引き続き、できることに取り組んでいきたいと考えます。

 

「国家スラム撲滅プログラム」インドネシアにみる虹の夢

 

昨日、こんな記事が飛び込んできました。

 

政府、貧困街対策に384兆ルピア-「国家スラム対策プログラム」実施

インドネシア政府は、スラム改善政策および行動計画に則り、2015年から19年にかけて384兆ルピアをかけ「国家スラム対策プログラム」を実施する計画だ。384兆ルピアのうち、20%を国家予算、残りを地方自治体や各企業のCSR活動費に頼る。

 現在のスラムの総面積は、3万8431ヘクタール(3286カ所、191県)で、住民の団地などへの移転、水環境や衛生環境などを改善していき、最終的には19年にスラム地域をゼロにする。ジャカルタ特別州、メダン(北スマトラ州)などでのスラム撲滅を重点的に行う。~日刊工業新聞

インドネシア政府が、2019年にスラム地域をゼロにするという国策を発表したのです!!約3.5兆円(384兆ルピア)の予算のうち、80%を企業のCSR活動費等に頼る計画ですが、これは国策としてのスラム撲滅キャンペーンなのです。しかもわずか5年間で撲滅を完了!の意気込みです。

(写真は世界最大クラスのスラム、インド・ムンバイのダラヴィ地区)

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