スラム奨学生第一号誕生!スラムの若きリーダー、サンタン23才


 

この秋は2回に分けてインドを訪問しました。1回目(8/31-9/12)はスラムプロジェクトのみの活動、2回目(9/24-10/9)はスタディツアーを含めた全体プロジェクトの活動でした。

前半はスラムプロジェクトにおいて、今後の協働先を決めるためにあらゆる選択肢を探りました。事前にインド中央政府・デリー州政府それぞれの教育セクションや最大規模のNGOとアポイントを入れ、現地ではスラムから生徒を集めた高校を運営する大規模な教育機関、小規模NGOも加えて訪問し、レインボーチルドレンのビジョンと方向性が重なり、かつ、お互い信頼してスラムへの長期的支援活動ができる協働先を絞り込んでいきました。

その中で浮上したのが、現地NGO:Wahoe Communeでした。

まずは、Wahoe Communeが本拠地を置くインドの首都デリーで最大のスラムの映像をご覧ください。

 

現地NGO:Wahoe Commune(ワフーコミューン)

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Wahoe Communeはインド・デリーに本拠地を置く2003年にスタートしたNGOです。さきほどの映像に写る巨大なスラムから活動が始まり、現在は北インドを中心に14のプロジェクトを手掛ける若い集団です。

  • Our vision:
    We envision a day in Wahoe commune when hunger and education is not a barrier for children to lead productive lives and reach their fullest potential.
  • Our mission:
    It is to train the future leaders, teachers and healers of the world through discipline, quality academics and a strong sense of self.

メインはスラムへの教育支援で現在5つの学校を運営しています。女性支援に力を入れているのも特徴です。

前半活動では、デリーのスラムの学校を3回訪問し、創設者との面談、デリー責任者との数回の食事を経て、協働先としての考えを固めていきました。

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Wahoe Commune School(ワフーコミューンスクール)

本部事務所があるニューデリーのBaljeet Nagarは、1946年から形成されていった首都デリーで最も歴史が古く、最大のスラムです。現在およそ35,000人~37,000人が居住する巨大なスラムにはいくつかの学校が存在しますが、その中のひとつがWahoe Communeが運営するワフーコミューンスクールです。

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現在45人が通うこのスクールには2つの教室がありますが、ご覧の通りぎゅうぎゅう詰めの状態です。経費の問題からボランティア教師を中心に運営し、子どもたちの教材や筆記具も足りない状態の学校です。それでも子どもたちはここへ来るのが大好きで、授業開始前から集まってきて、教室の掃除を始めます。

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前半訪問では日本人ボランティア学生による授業を行ったり、後半スタディツアーで訪れた時は、バルーンアートや塗り絵、ゲームをしてみんなで遊びました。

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スラム出身の若きリーダー、サンタン

学校の運営とデリーでの事業をすべて任されているのは、このスラム出身のサンタン(23歳)です。自力でデリー大学を卒業し、現在はNGO Wahoe Communeのデリー責任者として働いています。

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普段はNGOの収益源となる旅行代理店部門の仕事をしていますが、先生の手が足りないため週3回ほど教師の代わりを務めることもあります。子どもたちのお兄ちゃん役のような存在です。

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そんなサンタンの夢は、

  • 大学院で経営を学び、NGOの収益力を向上させること
  • ワフーコミューンスクールを45名→200名にすること
  • デリー中のスラムに学校をつくること

です。彼と何度も会いその夢を聞く中で、レインボーチルドレンがスラムプロジェクトで実現したい方向性と、彼の夢が重なっていることに気が付いたのです。

 

スラム奨学生第1号サンタンの誕生!

レインボーチルドレンは高等教育の奨学金を運営し、未来のリーダーを育てていく団体です。一方で、スラムにおいては学校に通えない子どもたちの初等教育の裾野を広げたい気持ちが強くありました。3度にわたるレインボースクール(スラムの学校)計画も、初等教育に関わるものでした。

しかし、サンタンの大学院進学をサポートすることで彼がリーダーとして持てる力をさらに引き上げ、ワフーコミューンスクールの充実によって子どもたちが学ぶ機会を広げることは、レインボーチルドレンが初等教育に直接関わることと同じインパクトとなります。いいえ、より望ましいスキームなります。スラム出身のサンタンがリーダーシップを発揮することで、その効果が最大化されるのです。

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そして、驚いたのですが、このスラムには大学や大学院で学びたい若者がたくさんいました。将来サンタンに続く奨学生が誕生し、スクールの子どもたちもサンタンのようになりたいと勉強を頑張ることで、リーダーがたくさん生まれ、デリー中のスラムに学校をつくることも夢ではないかも知れません。

最後に、サンタンからのメッセージをご覧ください。

奨学生サンタンの大学院への入学は間もなくです。

応援をよろしくお願いします!


今年度、チベット難民30名とスラムからサンタンを迎えて、レインボーチルドレン奨学生は66名となりました。全員がインドの大学や大学院で学んでいます。

レインボーチルドレンは、インド・チベットの若者から未来のリーダーを育てる「レインボーチルドレン奨学金」を運営するNGOとして、リーダーたちが変えていく未来を応援します。

あなたも一緒に教育から世界を変えていくレインボープロジェクトに参加しませんか?

1口1000円からのマンスリーサポーター(継続寄付)を募集しています。

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