チベットは日本の恩人って本当?

NPOレインボーチルドレンジャパン レイチル

遥か海を越えた両国の友好には、歴史の裏に隠された2つの知られざる物語があった―。

この冬上映中の<日本・トルコ合作映画>海難1890では、日本トルコ友好125周年を迎え(2015年)、日本とトルコの友好が描かれています。

そんな深い絆の物語が、日本とチベットの間にもあったことをご存知ですか?

第二次世界大戦でチベットは日本を守った?

第二次世界大戦中はチベット政府は日本に同情的な立場から、羊毛を経済制裁で苦しむ日本へ輸出し、連合国側の補給路確保要請もチベットは中立を通し拒否した。しかし後に米英ソの後ろ盾で日本に対抗した中国が国連の常任理事国になった事で、後に中国によるチベット侵攻は国連で議論されなくなる。(ウィキペディアより)

まず、太平洋戦争の開戦前、経済封鎖され困窮していた日本に「同じ仏教国が苦しい思いをしているから」と、チベット政府は「大量の羊毛」を支援してくれました。これは義侠心に駆られた一部の富豪が個人的に行ったことで、チベット政府は関係ないとする説もあります。しかし、現在も世界的な自然災害などで日本から義捐金を送る時などは、多くが民間の日本人としての行動です。チベットから日本に対するひとつのご恩だと考えます。

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ダライ・ラマ13世

そして、第二次世界大戦の時、連合軍側の「物資を中国に送るためにチベットを通過させてほしい」との要求に対して、日本との関係を重んじ、ダライ・ラマ13世は最後まで中立を貫き拒否しました。これは中立という立場を守ったのであり、日本を守るための行動ではなかったとする説もありますが、果たして事実はどうでしょうか。今は亡きダライ・ラマ13世に聞かないと分からないですが、次の章でもその背景が推察できます。友好国である日本を守りたい、しかし連合国に敵対する軍力もない、せめて中立を貫き連合国側に加担することを避けたかった、というのが事実ではないでしょうか。

しかし、あの大戦の状況の中で連合国側に対して中立の強い態度を示した国が、アジアの中で他にあったでしょうか。その殆んどが欧米の植民地とされその支配下に置かれていた時代に、それを覆していった日本に対する中立固持は、友好の証しだと考えることができると思います。

また、この中立を貫いた事実が、やがてチベットに悲劇をもたらす結果となったとも言われています。

チベット国旗は日本人が作った?

チベットに滞在していた日本人チベット研究者・青木文教は自著『祕密之國 西藏遊記』(内外出版、1920年(大正9年)発行)において、チベット軍の司令官と青木が戯れとして、それまでの軍旗でも使われていたチベットの記号(雪山・唐獅子・日・月)と、大日本帝国陸軍が軍旗として考案・使用していた旭日旗に擬似する意匠(旭日)を組み合わせ、新しく図案を作ったものがたまたま新しい「軍旗」として採用されたと記している。(ウィキペディアより)

チベット国旗

チベットの国旗は旗の正面に位置する白い雪山の前面で、2頭のスノー・ライオン(唐獅子)が 3つの宝石を支えているものです。民族独立を果たしたいという願いと、日露戦争や日清戦争での日本の活躍に憧れを抱いていた、ダライ・ラマ13世の信頼が厚かった青木文教が、日本の旭日旗 のデザインに着眼してチベットの国旗を作成したとされています。

青木 文教  旧名・仏教大学(現・龍谷大学)在学時の1910年(明治43年)、チベットに派遣され、1912年(大正元年)にラサ入りを果たす。チベット仏教を研究し、主にチベットの市井で多くのチベット仏教に関する文物を収集した。雪山獅子旗のデザインもする。そして、文教がチベットを離れる最後の一夜はダライ・ラマ13世と就寝したなど、深く現地に溶け込んだ。(ウィキペディアより)

ラサ憧憬: 青木文教とチベット 高本 康子 (著)
ラサ憧憬: 青木文教とチベット 高本 康子 (著)

その姿から雪山獅子旗と呼ばれるチベット国旗の現在のデザインは、日本人によるものだったのですね。そして、青木文教とダライ・ラマ13世との親交の様子を窺うと、前章でその後に中立を貫いたダライ・ラマ13世の想いが浮かぶような気がしませんか?

日本人とチベット人だけが持つ遺伝子について

日本人とチベット人だけが持つ遺伝子について

最後は以前に書いたこの記事です。2000以上のいいねを頂いている記事ですので、一度は目にされたことがあるかも知れません。羊毛のこと、連合国軍の要請に対して中立を貫いたこと、国旗のこと、すべては兄弟の遺伝子をもつ日本とチベットの魂の物語のように思えます。

友好や、絆という関係よりもっと深くて強い、魂のつながりが日本とチベットをつないでいるのだと思えてなりません。

そこにあるのは、平和の遺伝子。

皆さんも、ふと懐かしく思える顔や風景に会いに、チベットやダラムサラを訪れてみませんか?

日本人として生まれたからこそできることに、気付くかも知れません。

 

日本はチベットに恩がある。これもチベットの利他のこころでしょうか。アメリカや中国という大国にも屈せず、平和的解決を貫く姿。Rainbow Children の活動もその恩返しの一助となればと思います。

Posted by レインボーチルドレン(特定非営利活動法人Rainbow Children Japan) on 2013年5月1日

 

チベット960

チベット亡命政権首相ロブサン・センゲ来日講演

NPOレインボーチルドレンジャパン レイチル

『Melting Tibet, Threat to Asia』
『融けゆくチベット氷河、アジアの新たな脅威』

と題された、チベット亡命政権のロブサン・センゲ首相の来日講演に、メンバー4人で参加してきました。

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場所は東京の護国寺です。直後に記者会見やパーティも控えていたので、かなりの人数が集まっていました。関西からの日帰り参加でしたので、残念ながらこの講演のみの参加となりました。

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まずは、センゲ首相(主席大臣)について紹介しておきます。

1968年、インドに生れ、チベット難民学校卒業後、デリー大学法学部卒業。
1996年、奨学生で米ハーバード大学で修士、2004年、法学博士号取得。卒業後同大学の研究生。
2007年、アジア・ソサエティが選んだ「アジアのヤングリーダー」24人の一人。
2011年、ダライ・ラマ法王の政治的引退発表後、チベット亡命者民衆の投票で主席大臣に選ばれ、8月8日、主席大臣に就任。
主席大臣就任以来、日本を訪問するのは2回目。

 

2012年にレインボーチルドレン奨学金をスタートした際に、ダラムサラの首相官邸でお会いして以来でした。変わらずお元気そうでした。

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講演テーマは環境についてでしたが、精神的(宗教)な観点、地政学的な観点、政治的な観点、そして環境的な観点からチベットのことを分かりやすくお話しくださいました。

印象深かった話だけお伝えすると、中国の支配によりチベット仏教が以前より発展したという視点です。1959年から始まる中国の侵攻によってチベット僧院の98%は破壊されてしましました。しかし、その後のダライ・ラマ法王の亡命によって、チベット仏教にとって仏教の故郷であるインド各地に僧院が再建され、さらに世界中に僧院が拡大していったのです。

チベット問題では悪い面が強調されますが、良い面もあるということを政治のトップが公に話されるということは、我々チベット支援側にとって良いメッセージでした。物事には様々な側面があり、何事も多面的に捉えることが必要であるという仏教の教えでした。世俗の我々にとって、今もチベットに降り注いでいる悲惨な現状を「空」や「無常」と捉え、看過することは到底できないのですが、ひとつの「因果」がここにありました。

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また、環境面ではTibet Climate Actionでもお伝えした、チベット氷河(チベット高原)の地球における重要性についてお話しされました。印象深かったのは、「石油の戦争の次には水の戦争の時代が来る」という視点です。世界の人口膨大に伴い、食料や水資源の争奪が既に始まっていますが、その水資源を保有するのがアジアの屋根であるチベット氷河(チベット高原)であり、そこを支配しようとしているのが中国です。

チベット高原を源流とする河川で始まっている水位減少や汚染は、その原因が中国によるダム建設、チベット自治区の都市開発、鉱物の乱開発にあるという論点でした。納得感のある中道アプローチです。このTibet Climate Actionはレインボーチルドレンとして、今後も支持していきたいと思います。

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時折アメリカ仕込みのジョークをまじえ、聴衆に配慮する場面も多くみられ、それは2012年に個人活動として訪れた日本人をあたたかく迎えてくださった時と変わらないものでした。

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現在は首相選挙の最中ですが、春に再任が決定することが望まれます。その暁には、ダラムサラで再び首相官邸を訪れたいと思います。

レインボーチルドレン奨学金では、現在50名のチベット難民の学生たちがインドの大学で学んでいます。目標は来年度に常時100名の体制を整えることです。将来は奨学生の中からセンゲ首相のようなリーダーや、世界の各分野で活躍できるリーダーが誕生することを願っています。教育は世界を変える!

こちらもぜひご覧ください。

奨学生file.14 Jigme Choedon

 

Jigme Choedon

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Jigme Choudonは、 Jamia Hamdard University 看護学科の院生です。

2年間の学びの最終学年です。同じ大学で学ぶ奨学生の一人であるPema Bhutiと同様に、日々忙しく過ごしているようです。キャンパス内にある病院での実習、学校での講義、そして家での課題となかなか休む時間も取れないそうです。看護を学ぶ学生は、日々覚えることがたくさんで、遊んでいられないんだそうです。

オフィス前で
オフィス前で

Jigmeは、看護学の学士はすでに取得済みです。バンガロールの大学で3年半の学部生生活を終えました。その後、2年ほど病院で勤務し、大学院に戻り学びをさらに深めています。2年間の勤務時は、美容整形を主に担当していたそうです。その経験を活かして、今はさらに専門的にかつ広い分野で学んでいるんだそうです。

構内にある病院
構内にある病院

将来は、さらに学びを続ける予定で、Master Hospital Administration(MHA)を取得すると話していました。看護師は、立派な仕事であり、看護師として多くの人を救うことができたら…そんな想いで学びを続けているのです。

他学部の建物。ここで授業を受けることも
他学部の建物。ここで授業を受けることも

 彼女は7人家族で、5人姉妹の真ん中なんだそう。お姉さんたちは、すでにインドをでてフランスのブティックやホテルのレセプションで働いているそうです。妹たちは、MBAを取るために勉強中で、家族はみな離れ離れに住んでいます。Jigmeのお父さんは、チベット中央亡命政府の財務省で働いているため、彼女の両親はダラムサラに住んでいます。以前は、お父さんの仕事の関係で、チベット人の居住区のあるインド北部のウッタラカンやネパール、南インドなどを転々としていたそうです。

グラウンド3
グラウンド

彼女の名前、Jigmeは本来は男の子の名前なんだとか。Jigmeという名前は、生まれた時にリンポチェに付けていただいた名前なのだそうです。Jigmeだけだと男の子になってしまうけど、Choedonは女の子の名前なので、Jigme Choedonと名乗ると女の子だとわかってもらえる、と笑いながら話していました。

看護学部の校舎の前で
看護学部の校舎の前で

彼女は、笑顔の可愛い落ちついた女性です。一度、大学を卒業して働いた経験があるからでしょうか。大人な雰囲気を感じます。周りをみて気遣いのできるお姉さん的存在の奨学生です。

コンベンションホール
コンベンションホール
ホール前に旗
ホール前に旗

同じ大学のPemaも加えて三人でたくさんの話をしました。ガールズトークは尽きることなく、真面目は話から、楽しい話まで盛りだくさんでした。

ライブラリー
ライブラリー
新しく建設中の病院
新しく建設中の病院
Jigmeのホステル
Jigmeのホステル

さらに学びを深め、素敵な看護師さんとして彼女が活躍する日を心待ちにしています。

ジム
ジム
3人娘
3人娘 左からPema、ゆうか、Jigme

 

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寄付月間 -Giving December- 2015

奨学生file.34 Kalsang Wangdu

 

Kalsang Wangdu

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新しく奨学生に加わったKalsang Wangduは、デリー大学のKhalsa Collegeに通っている1年生です。学部は商学部。現在は、英語、経営などに関するクラスを取っています。

校章
校章

優しい顔立ちでおとなしいのかと思いきや、彼はスポーツ万能な青年です。サッカーとバトミントンが特に好きだそうです。彼のニックネーム、Davidは デイビットベッカムからきているとか。相当好きなんですね。

最近、大学のサッカーチームの選手に選ばれたそうですが、練習に参加できないことから、今回は参加を断念。ですが、次のセメスターからは、始めたい!と意気込んでいました。

大学のスポーツチームの選手に選ばれることは、相当なスキルがある証なんだそうです。

ジム
ジム

休みの日は、Majnu Ka Tilla(デリーにあるチベット人が多く住む地域。通称MT)にあるゲストハウスでレセプションのアルバイトをしているそう。時給ではなく、月給だそうで、月に5000ルピーほど稼いでいます。

Majnu Ka Tilla
Majnu Ka Tilla
Majnu Ka Tilla2
Majnu Ka Tilla2
Majnu Ka Tilla3
Majnu Ka Tilla3

「お金がもらえるだけではなくて、コミュニケーション能力の向上にもつながるから、楽しんで働いているよ」と話していました。チベット料理の賄いもそこで出るそうで、同じくMTに住む彼には好都合なようです。

バイト先
バイト先

 

彼の将来の夢は銀行員。

経済的に困っている人たちに、お金を貸したり、情報提供をしたいと話していました。

キャンパス (1)
キャンパス (1)

Khalsa College卒業後は、奨学金を取得できたら海外の大学院に進みたいそうです。その後、MBAを取得する予定で、勉強を続けます。海外の大学院に進学ができないなら、デリー大学などの院に進むそうです。インドでは、学士だけでは仕事に就くことが難しく、多くの学生が修士、さらには博士号まで勉強を続けます。

キャンパス (2)
キャンパス (2)

Kalsangのネパールのチベット難民の居住地区の一つであるジャワラケルキャンプの出身です。

レインボーチルドレンの奨学生の一人であり、同じジャワラケルキャンプ出身のPemaちゃんとは幼馴染なんだそうです。彼のお母さんは、ジャワラケルにあるクラフトセンターで働いています。

Kalsangは三人兄妹の一番年上のお兄さんです。妹は、ジャワラケルのなかの学校に通っていて、 弟は、アッパーダラムサラのTCVに現在通っているそうです。

チベットの伝統的なかぶり物
チベットの伝統的なかぶり物

Kalsangがネパールからインドに来たのは、2013年でした。高校生活の残り二年間をインドのMussoorie Schoolで過ごしています。

Majnu Ka Tilla4
Majnu Ka Tilla4
Majnu Ka Tilla5
Majnu Ka Tilla5

今回は、大学訪問だけではなく、MTやアルバイト先にもお邪魔させてもらいました。チベット料理のレストランやカフェでたくさん話をし、ゆったりとした楽しい時間を過ごしました。Kalsangは、彼自身が醸し出す雰囲気からもわかりますが、本当に優しい青年です。

カフェテリア
カフェテリア
Thenthuk
Thenthuk

チベットに興味津々の私をMTにあるTCV(Tibet Children School)に連れて行ってくれたり、様々な文化を丁寧に紹介してくれました。繊細な心配りのできる人なんだぁ、と同じ年ながらとても感心してしまいました。

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また、日本語を少し勉強したことがあるようで、日本語でメッセージを送ってくれたりもします。近々、一緒に日本料理を食べることを約束しました。

これからもきっと、誠実に勉強や日々の活動を続け、夢を叶えていってくれると信じています。

お友達のお店にて
お友達のお店にて

 

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寄付月間 -Giving December- 2015

奨学生file.15 Tenzin Zomkyed

 

Tenzin Zomkyed

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大学 Miranda House, Delhi University
生物専攻の大学院生(最終学年)

彼女は、女子大学であるMiranda houseに籍をおいていますが、キャンパスはデリー大学の植物学を専攻とする学部で学んでいます。彼女いわく、男女共学のキャンパスより、Miranda Houseの方が好きなんだとか。インド人の男は色々とめんどくさいのよ…と話していました。

学部の入り口
学部の入り口

 

Tenzin Zomkyedはとても優秀で明るい学生です。
2015年秋スタツアの際の奨学生ランチミーティングでは、日本語で挨拶してくれました。

彼女は、時間があれば新しいデザインのネイルを試してみたり、K-popや韓流ドラマ、ドキュメンタリーなどをみているそうです。
他にも、歌うことが趣味の一つという彼女は、実際にその美声を聞かせてくれました!彼女のハスキーボイスがいい味を出していて、びっくりするくらい上手です。

彼女がしてくれたネイル (720x960)
彼女がしてくれたネイル

今はデリー大学の大学院で学んでいますが、今後もさらに生物学の勉強を続け、博士号まで取得したいそうです。
もし、勉強を続けられなくても、細胞生物学に関係する職業につくつもりだそうです。

寮

インドの北部、ラダックで生まれ、バラナシで育った彼女は、ダラムサラにあるLower TCVに通っていました。勉強だけでなく、スポーツ、音楽などあらゆる面で彼女はいつもトップだったそうです。ダラムサラのTCVを卒業後は、デラドゥンにあるTCVで高校生活を過ごしました。

両親は、現在もバラナシに住んでいて、お父さんは、バラナシにある大学の教授だそうです。彼女のお母さんはもともと先生でしたが、今は子供を育てるために仕事からは離れています。

Tenzinは三人兄妹の真ん中で、お兄さんはインドにいるチベット人の中で最も優秀な学生だったそうです。今も彼女のお兄さんとは仲が良く、いつも様々な相談をしアドバイスをもらっているそうです。弟は、バンガロールにあるダライ・ラマカレッジで勉強しているそうで、休暇時にはバラナシで一緒に過ごしすとのことです。写真を見せてもらいましたが、とっても仲よさげな兄弟姉妹でした。

彼女の両親は、勉強を続けることに深い理解があり、満足するまで勉強しなさいといつも背中を押してくれているそうです。世間体を気にして、結婚しろだの、就職しろだの言わない両親で、私は本当にラッキーと話していました。

研究室
研究室

Tenzin Zomkyedとは、将来の話や音楽の話、メイクの話など様々なトピックでおしゃべりしましたが、彼女にはとてもオープンにもの事を考えるという印象を受けました。彼女自身もそう感じているようで、「同じ大学でもいつもグループ行動ばかりしている友達もいる。私はもっと本当に気が合う人と、私らしく過ごしたい」と凛とした姿で話していました。自分の中に強い芯のある彼女はかっこよく見えました。
そんな彼女だからこそ、「女性でも好きなようにいきられる社会で生きたい」そう話す彼女は、科学の世界から、女性らしく生きていける道を切り拓いていってくれるでしょう。

 

そして、最後にレインボーチルドレンに対してメッセージをもらいました!

「いつも本当にありがとうございます。
メンバーのみなさん、日本でそれぞれ仕事を持ちながら、こうやって支援してくださる事、本当に嬉しく思います。世界には様々な問題がありますが、こうやって教育に特化した活動をされていることは、本当に意味があると思います。みなさんの活動に逆に驚きますし、みなさんの姿から多くの刺激を受けています。ありがとう!」

教室にて
教室にて

 

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寄付月間 -Giving December- 2015

TIBET CLIMATE ACTION

 

「この青い惑星は私たちの唯一の住処であり、チベットはその屋根です」

-ダライ・ラマ14世-


 

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2,500万平方キロメートルに広がるチベット高原の海抜は平均4,000メートル以上。チベットは、地球上で最も高く、広い高原地帯です。
そして、アジアの給水塔と呼ばれ、世界人口の4割に当たる13億人の暮らしがチベットを源流とした河川によって支えられています。

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また、世界で3番目に大規模な氷の蓄積と、46,000個の氷河があり、いわば第三の極です。

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現在、チベット高原の約7割を覆う永久凍土の劣化が進み、123億トンの二酸化炭素を蓄えた山岳永久凍土の劣化によって植生が喪失し、大気中に大量の二酸化炭素が放出され、地球温暖化の加速につながっています。

現在のペースでは2050年までに氷河の3分の2が消失するとされています。
永久凍土は地球を健全な状態を保つのに極めて大切なもので、水の供給と降雨にも影響を与えます。

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また、国連開発計画(UNDP)によれば、チベットの草原は毎年2,330平方キロメートルのペースで失われ、砂漠化が深刻になっています。
世界各国の政府のあいだでは、乾燥地の持続可能性の鍵を握るのは遊牧民の牧草地の移動だという認識がますます広がっています。
チベットの遊牧民は高地の牧草地の保全に関する専門知識を持っている優れた管理人です。その知識と経験は気候変動による環境問題の緩和と改善に生かされるでしょう。
ところが、現在はチベットの遊牧民の自由と地理的移動は制限され、今日までに200万人以上の遊牧民が強制移住の対象になっています。

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中国人科学者による最近の研究によれば、世界の気候システムにチベット高原は極めて重要な役割を果たしており、チベット高原を覆う積雪層が薄くなれば、ヨーロッパと北東アジアを襲う夏期の熱波はさらに強烈となることが研究で明らかにされています。

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チベット高原の環境保護は、チベット人だけのためのものではありません。
それは、世界全体の健全な環境と持続可能性のためのものです。

<参考・引用元>
ダライ・ラマ法王日本代表部事務所HP
>世界の屋根-チベットの気候変動より
http://www.tibethouse.jp/about/information/climate_change/


 

COP21(国連気候変動会議)から始まった【TIBET CLIMATE ACTION】を
Rainbow Children Japanはサポートいたします。

We support ‪#‎climateaction‬ for ‪#‎Tibet‬ – the ‪#‎RoofOfTheWorld‬ at ‪#‎COP21

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2015年度のレインボーチルドレン奨学金を送金完了しました(チベットプロジェクト)

 

今期50名分、4,027,158円 (INRs.22,16,652) の送金を9/17付完了しました。皆様へご報告と共に御礼申し上げます。

全てチベットの学生たちがインドの大学で学ぶための今年1年間の学費となります。新入生27名と継続23名の合計50名ですが、全員の名前、大学名、専攻を含む奨学生名簿を後日公式サイトに掲載します。

新入生27名に関しては、この秋のスタディツアーにて初対面となるので、ダラムサラ・デリー両方でミーティングを予定しています。会えるのが楽しみです!

しかし、今年の送金は大変でした。4度目の送金だったのですが、費やした時間は銀行内で5時間半、現地との電話・メールのやり取りが数十回に及び、丸3日間かかってようやく送金完了できました。

原因は不明ですが、昨年と同じ先方口座へ今年は直接送金ができなくなっていたのです。銀行の外為部門のプロ、チベット教育省の会計、政府口座支店の支店長、チベット亡命政府の財務省までが解決にあたり、僕自身もウェルズファーゴ銀行、スタンダードチャータード銀行、チベットハウス、はたまた同じくダラムサラで医学生支援を行う高須クリニックに電話を入れて調べました(折り返し今話題の高須克弥院長から直接電話をもらったのには驚きましたが笑)。

結果、(これより専門用語が並びます)
UCOがMUFGとノンコルレスになったために、UCOがコレスポンデントしてるカレンシーごとのノストロ銀行を使って、WELLS FARGOに円送金してベネフィシャリーのUCOにremitしました。結果送金手数料とリフティングチャージがかかりました。(難しいです笑)

普段外貨を扱う仕事をしていますが、ノンコル?ノストロ?ドルで送金したいのに円送金?と理解するのに大変でしたが、グローバルな金融知識を授けて頂きました。何事も経験ですね。来年からは大丈夫です。

9//21月曜日の出発を直前にして、予想外の3日間のロスは大きかったですが、急ピッチで渡航準備に取り掛かります。

しかし、円安効果で昨年まで一人あたり7万円だった学費が、一人あたり8万円と増加しています。来年度の奨学生75名体制へ向けて、ファンドレイジングの強化が急務です!

映画『ルンタ』鑑賞レポート

 

まずは、こちら予告編をご覧ください。(青文字クリック)

映画「ルンタ」予告編池谷薫監督最新作ドキュメンタリー映画「ルンタ」7月18日(土)渋谷シアター・イメージフォーラムにて公開!

7/18に公開した、池谷薫監督ドキュメンタリー映画『ルンタ』を観て来ました。

『ルンタ』は中国の弾圧に苦しむチベットの人々の焼身抗議、そしてその奥にある「非暴力」のこころにフォーカスしたドキュメンタリー映画。

公開初日は立ち見が出るほどの盛況ぶりで、ぴあ映画初日満足度でも堂々1位を獲得したそうです。

http://cinema.pia.co.jp/ranking/firstday

 

わたしの観た回もほぼ満席に近く、日本のメディアではあまり実情を取り上げられることがないにも関わらず、これだけの人がチベットに関心を寄せているんだなぁというのを実感しました。

物語の前半は、レインボーチルドレンのスタディーツアーでも毎回訪れるインド、ダラムサラ。

後半はチベットへと舞台は移動します。

そして物語のナビゲーターは、ダラムサラに長年住み、専属建築家として亡命政府の庁舎や僧院、学校など、数多くの建築物の設計を手がける中原一博さん。

http://www.lung-ta.org

ダラムサラでは、実際に平和的デモ活動を行い、中国当局に拘束されたことのある方々の証言と想いを、彼らのことばで中原さんが掘り下げていきます。

数年に渡って受けた生々しい拷問についての告白とは”裏腹”に、

彼らのことばや表情には少しショックを受けるくらいでした。

劇中、国際メディアの前で多くのチベット人が殺されている事実を決死の覚悟で抗議した若い僧侶が言いました。

「怖かった、、、。」

「色んなことを考えた。死ぬ覚悟ができていたかというと、できていなかったと思います。」

それは、ひとりのあまりにも純粋な青年の素直なこころの声でした。

そのデモに参加したふたりの若い僧侶が命を落としました。

うち、ひとりは電気ショック棒を口に突っ込まれ、内臓を損傷し亡くなったそうです。

それでもそうするしか弾圧に対して抵抗を示す道は他になかった。

誰かを殺めて暴力で報復するのではなく、じぶんの命をかえりみずに訴えるという選択。

今の日本では、デモに参加したというだけで長年に渡り拘束されかつひどい拷問を受け、命を落とすのも不思議でない、、ということはまずありえません。

言論の自由とはなんなのか、あらためて考えさせられます。

 

2009年2月から2015年5月までに亡命チベット人を含め145人が焼身抗議を行い、内122人が亡くなっています。

その大半が10代後半から20代の若者たちであることにも劇中で触れられています。

中原さんは、この焼身抗議全ての背景を追い、ひとつひとつを真実として伝えることを続けています。

それは決して、ただいかにも美しいこととしてではなく、どんな想いでその行為にいたっているのか、わからないからこそ追いたいのだと言います。

少なくとも、個人の苦しみからただ逃げるためではなく、”抗議=デモンストレーション”であり、誰もが、この焼身が最後であってほしいと願いながら自らのからだに火をはなつと・・・。

焼身自殺とは言わずに、

焼身抗議という表現をしている理由。

わたしたちにはこのほんのすこしのことばの違いに潜む奥深さを、到底理解はできないかもしれません。

劇中では彼らの最後に残したメッセージも公開されています。

10代の少女が最後に書いたであろう詩、

手の甲に書かれたチベット文字。

ただただ、『わたしがわたしでいる』という素朴な願いが、弾圧の元に叶えられないという現実。

 

途中、ふと、かつて第二次世界大戦時のまだ若い神風特攻隊員が家族へ残した手紙のことや、

子供の頃「はだしのゲン」で読んだ、『天皇陛下万歳!大日本帝国万歳!』といいながら自ら毒を飲んだり、崖から飛び降りて命を絶った国民のことを思い出しました。

 

もちろん状況は違うにしても、その奥にあるどこか共通しているものを、不意に感じたのです。

その当時をリアルタイムで生きていた誰に、『命を粗末にするなんて!』と言えたでしょうか。

けれども、とてもとても悲しい、時代を経ても、それを想うと胸が苦しい。

なんだか、同じような感情が湧き上がってきて涙がこぼれました。

わたしたち日本人にもかつて、きっと同じようなこころがあったのではないでしょうか。

 

わたしが感じたこと。

その行いがじぶんのものさしで良いか悪いかジャッジするためにこの現実に遭遇しているわけではない。

もっともっとその奥にある彼らの非暴力を貫くこころ、

『わたしがわたしでいる』と本来当たり前に与えられているはずの個性。

彼らの想いを通して、少しでも触れて、耳を傾けることが、わたしにできる祈りにも通じるのではないかと思いました。

同時に、今まさに、日本人ひとりひとりに問いかけられていることに対し、

じぶんのなかにある答えに目を向けるきっかけにもきっとなるのではないかと思います。

 

彼らの想い、表情、声、チベットの風、、、

そしてとっても陽気でフレンドリーな彼らの一面が見れるシーンもあります。

ぜひ、映画『ルンタ』を通して感じ取ってみてください。

 

(東京支部長・三村優子)

 

【渋谷イメージフォーラムでの上映時間】

8/14までは下記の時間です。

①12:30 ②14:45 ③17:00 ④19:05

以後、変更の可能性があります。終映日は未定。

渋谷シアター・イメージフォーラムTEL:03-5766-0114

イメージフォーラム公式サイト:http://www.imageforum.co.jp/theatre/

 

【今後の劇場予定】

8/22より大阪・第七藝術劇場

8/29より名古屋シネマテーク

9/5より横浜ニューテアトル

9/19より盛岡・中央映画劇場、長野ロキシ―、新潟シネ・ウインド、神戸・元町映画館 9/26より京都シネマ|10/3より富山・フォルツァ総曲輪、岡山・シネマクレール

近日上映:金沢シネモンド、浜松シネマイーラ、広島シネツイン、沖縄・桜坂劇場

※上映期間及び上映時間は各劇場にお問い合わせください。

http://lung-ta.net/theater.html

 

 

映画『ルンタ』の鑑賞券を、抽選で1名様にプレゼントいたします!

 

〈募集条件〉

現在、公開中の渋谷イメージフォーラムに観に行ける方。

鑑賞後、映画の感想を書き、レインボーチルドレンHPまたFacebookページでご紹介させていただける方。

 

〈応募方法〉

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「国家スラム撲滅プログラム」インドネシアにみる虹の夢

 

昨日、こんな記事が飛び込んできました。

 

政府、貧困街対策に384兆ルピア-「国家スラム対策プログラム」実施

インドネシア政府は、スラム改善政策および行動計画に則り、2015年から19年にかけて384兆ルピアをかけ「国家スラム対策プログラム」を実施する計画だ。384兆ルピアのうち、20%を国家予算、残りを地方自治体や各企業のCSR活動費に頼る。

 現在のスラムの総面積は、3万8431ヘクタール(3286カ所、191県)で、住民の団地などへの移転、水環境や衛生環境などを改善していき、最終的には19年にスラム地域をゼロにする。ジャカルタ特別州、メダン(北スマトラ州)などでのスラム撲滅を重点的に行う。~日刊工業新聞

インドネシア政府が、2019年にスラム地域をゼロにするという国策を発表したのです!!約3.5兆円(384兆ルピア)の予算のうち、80%を企業のCSR活動費等に頼る計画ですが、これは国策としてのスラム撲滅キャンペーンなのです。しかもわずか5年間で撲滅を完了!の意気込みです。

(写真は世界最大クラスのスラム、インド・ムンバイのダラヴィ地区)

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チョコと男女教育格差の甘くない関係

 

チョコレートの年間消費量の2割がこの日に消費されると言われるほどの日本の国民的イベントでもあるバレンタインデー。日本では女性が好きな男性にチョコレートを贈る習慣は次第に少なくなり、代わりに自分へのご褒美として高級チョコを購入する日となったのでしょうか。それでも、女子にもスイーツ男子にも甘~い一日であることは間違いないでしょう。そんなバレンタインデーの歴史をひも解くと、チョコと男女教育格差に「ある関係」があることが分かりました。 “チョコと男女教育格差の甘くない関係” の続きを読む