Vol.53 コラム 【ボランティア活動の意義って!?】

Vol.53 コラム 【ボランティア活動の意義って!?】

2013年11月20日(水) 【ボランティア活動の意義って!?】

前回からのつづきです…

スラムの子供からプレゼントされた一粒のチョコ。

この体験をきっかけに、ボランティア活動って一体何なのか、帰国してからもう一度考えてみました。

★ボランティア活動の意義

ボランティアとは、もともと『志願者』『有志者』という意味を持つ言葉です。

誰もが、個人の自発的な自由意思に基づいて行われる活動であって、自分でできることを周囲と協力しながら、無償で行う活動のことをいいます。

『誰かのために何かをしてあげたい』という純粋な気持ちを大切にした活動ですね。

ボランティア活動の目的は、社会問題や課題の解決に対して、自分自身が『自発的・主体的に』その問題を解決していこうとするものです。

ですので、人から命令されて行うものではないですし、強要されて行うものでもないです。
人の評価が活動に影響を与えることもありません。
活動することを決めるのは、本人の自由意思によってなされるものでなければならないからです。

またボランティアは、決して『~してあげる』活動ではありません。

受け手側から見て支援する側は、この地球に共に暮らす仲間であり『協力者』です。
友達のような視点でお手伝いする気持ちが大事です。
感傷や哀れみの気持ちは禁物なんですね。

ボランティア活動の報酬とは、自分の『満足感』や、人とかかわることによって得られる『人間関係』です。

ボランティアの体験は、支援する側の自分の心を豊かにしていきます。

支援を必要としている世界の人たちが、自分の活動によって明日への希望を持てたのだとしたら、自分自身の心をも満たす素晴らしい経験にもつながっていくのですね。

現在、多くの方々が様々な活動に従事しています。
若い世代だけでなく、社会の高齢化に伴い、長い人生をより有意義なものにしたいと、ボランティア活動に関心を寄せるシニア世代も急増しています。

自分の感情を刺激されることによって、『自発的・主体的に』行うのがボランティア活動です。

受け手側の心に何かしらの幸福感をもたらすのであれば、やらないよりはやった方が絶対にいいのです。

結論として、ボランティア活動は支援した受け手側が「良かった!」「嬉しい!」と思ってくれる、それだけでいいのだと。

反対に自分が善意の押し売りをして、ただの自己満足になってはいけないのだと。

相手から感謝の行為をもらえたのなら、そこに込められた気持ちをありがたくいただけばいいのだと。

机上で得た知識は、確かに役立つ時もあります。

しかし、日々起こってくる問題を実際に解決へと導くものに、己の体験に勝るものはありません。

『百聞は一見に如かず』です。

私自身が目指しているのは、自分が少しでも『厚みのある人間』に近づくこと。

スラムの子供がくれた一粒のチョコは、自分の目標に近づくための貴重なヒントを与えてくれたような気がします。

明日は実際にボランティア活動をしている、ネルーさんから聞いたスラムの現状を投稿します。

つづく…。

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Vol.52 (6日目)【子供がくれた一粒のチョコ】

Vol.52 (6日目)【一粒のチョコ】

2013年11月19日(火) 【子供がくれた一粒のチョコ】

前回からのつづきです…

バルーンアートと折り紙の授業を終えて、ネルーさんから今のスラムの状況を伺う。

ネルーさんは、ベルギー政府から支援を受けて活動をしているNGOの方。

現地でスラムの子供たちを、実際に支援し続けているネルーさんの具体的な話は、とても参考になるものばかりだった。
※詳細は次回に投稿します。

スラムでの活動も無事終了。

来る時に通ってきた細い路地を歩いて帰る。

途中、スラムの家の中を撮影させてもらった。

ここに来る時に遭遇したどしゃ降りのスコールの影響で、彼らの家の中は床上浸水状態。

スラムでの生活は、雨が降るたびに家の中が水浸しになる。

そんな最悪の環境で生活しなければならない場所が、ここスラムには存在するのだ。

複雑に入り組んだスラムの路地を歩いていると、突然、小学校低学年くらいの子供からむき出しのチョコをプレゼントされる。

「え!?これを俺に!?くれるの!?」

いきなりやってきた知らない日本人に対して、自分が食べている食べ物をプレゼントする行為。

自分のことだけで精一杯なはずのスラムの子供から、感謝の気持ちとして何かをもらえるなんて想像すらしていなかった。

もし自分がこの子供と同じ境遇だったら、同じような行動が取れるだろうか。

ありがたく受け取ったものの、衛生上の問題が気になってなかなか口にすることができない。

サージャンにも確認してみたが、「食べない方がいい」と。

チョコを手に持ったまま、心苦しい気持ちで駅に向かってスラムの路地を歩いていく。

子供から感謝の気持ちをプレゼントされ、ものすごく嬉しい気持ちと、その気持ちを消化できない悲しい気持ちが入り混じった複雑な心境。

チョコをくれた子供が一緒にくっついてきて、私の顔を覗き込む。

せっかくプレゼントしたのにチョコを食べてくれない私を見て、あの子供は何を思っただろうか。

こんな小さな子供からもらったチョコを、すぐに口に運べなかった自分がいる。

この子供の想いよりも、自分のお腹を優先したことが、情けなくそして自分に腹が立った。

支援活動と言いながらも、実は私は心の底から相手のことを思ってあげてないのではないか。

こうした活動は所詮、自己満足に過ぎないのか。

自分は何かの見返りを期待しているのだろうか。

自分はただの偽善者ではないだろうか。

結局は自分がかわいいだけなのか。

いろんな思いが浮かんできて、胸が締め付けられる。

「俺、何しにインドに来てんだよ…」

日本で暮らしているだけであれば、決して味わうことのない今回の体験。

パソコンの画面を通して得た情報だけで、少しはスラムのことをわかった気になっていた。

机上で得た知識なんて、知的欲求を満足させるだけで、現実問題の解決にはつながっていかないのか。

サージャンの言葉が、頭の中を駆け巡る。

「今インドがどういう国なのか、誰もわかってない。ここが本当のインドだよ!ここ来たらみんなわかる!」
(DVD『呼ばれて行く国インド』スラム街のボランティアガイド、サージャンの言葉より)

突然心に芽生えた問題に対し、明確な答えを出すことができないまま歩いていく。

握りしめたチョコは、だんだんと手の中で溶けはじめていた…。

つづく…。

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Vol.50 (6日目)【折り紙教室】

Vol.50 (6日目)【折り紙教室】

2013年11月18日(月)【折り紙教室】

前回からのつづきです…

2Fでのバルーンアート教室を終え、次は1Fで授業をしている子供たちのところへ。

こちらでは羽ばたく鶴の『折り紙教室』を開講。

昨年は通常の鶴を折っているので、今年はワンランク上の折り紙に挑戦。

羽ばたく鶴の折り紙は、鶴の尻尾を掴んで引っ張ると、パタパタと羽ばたいて見た目にもインパクトがあって面白い。

しかし風船と違って、この羽ばたく鶴は伝えるのに大苦戦!

得意のボディランゲージも、細かい作業には対応できず。

子供たちも挑戦してはみるものの、なかなか上手く作れない。

何度も失敗してくしゃくしゃになった折り紙を持ってきては「折って!折って!」とせがんでくる。

一人折ってあげると「僕のも!私のも!」と、次々とみんなが折り紙を差し出してくる。

目の前には多くの子供たちの手が!手が!手が〜!(>_<)
千手観音様〜HELP!

結局マンツーマンで教えることになり、私も石川さんも汗だくになって子供たちの折り紙を折っていった。

これじゃ子供たちではなく、私たちが上手く折れるようになるだけだ(笑)(^^;;

これだけ元気な子供たち相手に、毎日授業をするのは、どれだけ大変なことか、今回身をもって体験することとなった。

ここスラムで子供たちに勉強を教えているのは、ベルギーからボランティアで来ているネルーさんという方。

「You are a superman!!」

たった一回の授業で汗だくになった私たちは、ネルーさんにそんな言葉を伝えずにはいられなかった。

つづく…。

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Vol.48 (6日目)【バルーンアート教室】

Vol.48 (6日目)【バルーンアート教室】

2013年11月17日(日) 【バルーンアート教室】

前回からのつづきです…

一通り授業を見せてもらったお礼に、今度は私たちからバルーンアートの授業をプレゼント。

各自に風船を渡して、『犬』の作り方に挑戦。

「This is a dog!ワン!ワン!」

英検4級レベルの乏しい語学力(^^;;

子供たちにはちゃんと伝わっているかな?

「Here is the face of the dog!」
「人間でいうと、顔ね!ここね!ここ!」

得意の身振り手振りのボディランゲージを交えて、必死に説明する。

ひねったり曲げたりして風船が割れないか、ビクビクしながら子供たちも作っていく。

あ〜、伝えるって難しい〜!(>_<)

ところが、みんな一回一緒にやっただけで、ちゃんと形になっている!
すごい!すごい!

子供たちの好奇心は、言葉の壁など簡単に乗り越えるものなのか。

「見て見て!出来た!出来た!」と自慢げに見せに来る子供たち。

こちらも嬉しくなって、思わず笑みがこぼれる。

昔覚えた知識が、まさかここインドで活用されるとは思わなかった。
※実はこのバルーンアート、私が営業マン時代に身につけたスキル。
小さい子供のいるお客様の目の前で作ってプレゼントしてあげると、子供のハートはグッと掴めます。
お客様のハートは同じようにはいきませんでしたが(笑)(^^;;
ホント簡単に作れるので、小さいお子さんがいらっしゃる方は、クリスマスに向けて一度チャレンジしてみてくださいね。材料は100均で全て揃います(^^)

2Fでのバルーンアート教室を終え、次は1Fで授業をしている子供たちのところへ。

こちらでは折り鶴のしっぽを引っ張ると、ぱたぱたと羽ばたく『折り紙教室』を開講。

つづく…。

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Vol.46 (6日目)【スラムで学ぶ子供たち】

Vol.46 (6日目)【スラムで学ぶ子供たち】

2013年11月16日(土)【スラムで学ぶ子供たち】

前回からのつづきです…

入り組んだ細い路地をさらに歩いて行く。

しばらくすると、目の前に2F建ての建物に到着した。

ここでスラムの子供たちは学んでいる。

階段を上って2Fへいくと、子供たちは私たちに手を振って、満面の笑顔で歓迎してくれた。

この学校に到着するまでは、スラムの人の目を直視することができなかった。

しかし、この子供たちの笑顔はどうだろう。

日本の子供たちとなんら変わらない。

キラキラとした澄んだ瞳。

子供たちは学校が大好き!

子供たちの笑顔からは、そんな思いが十二分に伝わってくる。

劣悪な環境にもかかわらず、スラムで暮らす悲愴感など、微塵も感じさせない。

まずは子供たちの授業の様子を見学。

子供が一人ずつ、先生から黒板の前へ立つように指示される。

先生に指名された子供はリーダーとなって、アルファベットを順に発音していく。

その子に続いて、他の子供たちが元気いっぱいに復唱する。

「A〜!」、「A〜!!」(≧∇≦)
「B〜!」、「B〜!!」(≧∇≦)
「C〜!」、「C〜!!」(≧∇≦)

チベットの子供たちも元気だったが、スラムの子供たちも負けず劣らず元気いっぱいだ。

子供たちは発表しながら、私たちの方をチラチラと確認する。

普段見慣れない、突然やって来た日本人に対し、興味津々の様子。

「すごいでしょ〜!私たち、ちゃんと英語を喋れるのよ〜!」

これ見よがしに元気な声で発表する姿は、そう伝えたがっているようだった。

まるで授業参観に来てくれたた親に対して、一生懸命自分のスゴイところをアピールしているみたいだ。

自分が小学生だった頃とまったく同じ光景。

子供の本質は、どこの国でも変わらない。

一通り授業を見せてもらったお礼に、今度は私たちからバルーンアートの授業をプレゼント。

つづく…。

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Vol.45 (6日目)【スラム街を歩く】

Vol.45 (6日目)【スラム街を歩く】

2013年11月15日(金) 【スラム街を歩く】

前回からのつづきです…

Shadipur駅を降りて、目的のスラム街を目指して歩いて向かう。

スラム街に関しては、日本で入手できる情報は少ない。

『地球の歩き方-インド』(ダイヤモンド社)には、600ページにも及ぶインドに関する情報が記載されている。

しかし、スラム街について書かれた詳細な記事は、どこにも載っていない。

ネットを使って情報収集することになるが、机上で入手する情報と、実際に肌で体験して得る情報とでは、自分の中に入ってくる情報の質が全く違う。

ここ現地で、自らが体験したことこそ、自分にとっての生きた情報となるのだ。

目的のスラム街は、Shadipur駅から歩いてすぐのところにあった。

大通りから脇に入って細い路地を歩いて行く。

目の前に広がる衝撃の光景。

言葉という伝達手段を使って当時の様子を表現したいが、適当な言葉が見つからない。

初めて見る現地のスラム街を目の当たりにして、まさに『言葉を失っていた』という表現が適切だろう。

こんなところでも、人間は生活できるもなのなのか。

スラムの入り口から、あちこちに枝分かれした細い路地を歩いていく。

先ほどのスコールの影響で、足元はぐちゃぐちゃ。

転んだり水たまりにはまらないように注意して歩いていく。

スラムの住人たちが物珍しい目で、私たちを見つめてくる。

真っ直ぐな眼差しでこちらを見つめ、決して目をそらさない。

やましいことは何もしていないのだが、彼らとじっと目を合わせることができない。

見てはいけない他人のプライバシーをのぞき見しているような罪悪感からなのか。

逆にこちらが目をそらしてしまう。

他人の目を見て心を揺り動かされる体験なんて、日本で滅多にできるものではない。

彼らは未来に向かって生きているのか。

いや、目の前の現実だけを見つめざるを得ない状況の中で、今を必死に生きているのだろう。

入り組んだ細い路地をさらに歩いて行く。

しばらくすると、目の前に2F建ての建物に到着した。

ここでスラムの子供たちは学んでいる。

階段を上って2Fへいくと、子供たちが笑顔で私たちを出迎えてくれた。

つづく…。

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Vol.44 コラム ちびっとインド情報【インドのメトロ(地下鉄)】

Vol.44 コラム ちびっとインド情報【インドのメトロ(地下鉄)】

2013年11月14日(木) 【インドのメトロ(地下鉄)】

今回スラム街へ行くのに利用した、インドのメトロ(地下鉄)。

実はこのインドのメトロと日本には、非常に深い関係がありました。

多くの日本の技術や文化が、メトロ建設に関わっていたこと。
日本人として、ちょっと嬉しくなる事実です。

せっかく乗車したのに、知らなかった自分が恥ずかしい!(>_<)

なので、今日は皆さんにもチビっとメトロ情報です。

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★インドのメトロ(地下鉄)とは?
デリー市内の移動手段は種類が豊富ですが、その中でも道路の混雑の激しいインドでは電車の存在は重要です。
旅行者にとって1番使いやすいのがメトロで、現在6路線が走っています。
各路線は色分けされていて、「レッドライン」「ブルーライン」「イエローライン」など、色の名前で呼ばれています。
朝夕の通勤時間帯は、日本のラッシュ時よりも混雑しているので、この時間の乗車は避けた方が無難です。

★メトロの乗り方
まず駅の構内に入る前に、荷物のX線検査とボディチェックがあります。
時間に余裕をもって駅に行かないと、思いのほか乗車までに時間がかかってしまうこともあるので、急いでいる方は要注意!

窓口で目的地までの切符を購入します。
この切符には、トークンと呼ばれる1回限りのコイン型乗車券と、チャージタイプのメトロカードがあるので、乗車頻度に合わせて選べます。
トークンの料金は、距離に応じて8〜30ルピー(約16円~60円)。
改札はタッチ式で、降車の際はトークンを改札機に投入します。

★メトロ開通の歴史
約1,700万人の人口を抱えるインドの首都デリー。
経済成長により都市化が進み、自家用車が急速に普及したため、道路の慢性的な渋滞と、車の排気ガスによる大気汚染が問題となっていました。
そこでインド政府が打ち出したのが、「デリー地下鉄建設計画」です。
デリーの都市交通政策・都市環境問題対策の柱として計画されたこのプロジェクトを、JICAは計画段階の1995年から16年間にわたり支援してきました。
※JICA:独立行政法人国際協力機構

そして2006年11月に全線開通したフェーズ1に続き、2011年8月27日、ついにフェーズ2全線開通の日を迎えました。
全線開通により、デリー地下鉄の総延長距離は190kmとなり、東京メトロ(195km)と同規模の地下鉄ネットワークとなりました。
一部区間が開通した2002年12月からの延べ乗車人数はインドの全人口12億人を上回り、今日では一日あたり乗車人数が約180万人に達するなど、デリー地下鉄は市民の足として定着しています。
デリー中心部とインディラ・ガンディー国際空港や郊外の新興地域グルガオンも結ばれ、デリー市内の移動手段としてのみならず、海外への出入り口としての役割も担うこととなり、今後さらに利用者が増加することが見込まれています。

★日本の技術をいかした官民一体の協力
この巨大プロジェクトは、デリー中心部をカバーするフェーズ1と、デリーから周辺部への延伸路線のフェーズ2に分けて実施され、総事業費約6,667億円のうち、JICAは約3,748億円の円借款を供与しました。
JICAの協力は資金面だけではありません。
安全運行や車両維持管理に関する能力を向上させるため、東京メトロを運行する東京地下鉄(株)、メトロ車両(株)の協力のもと、デリー地下鉄を運行するデリー地下鉄公社への技術支援を行いました。
また現地NGOと協力して現場作業員に対するHIV/エイズ予防の啓発活動を実施し、労働環境や社会的認識の改善も図っています。
デリー地下鉄の車両には日本の省エネ技術が埋め込まれています。
三菱電機(株)が導入した「電力回生ブレーキシステム」です。
電力回生ブレーキシステムとは、地下鉄車両のモーターをブレーキ作動時に発電機として利用することにより、列車の運動エネルギーを電力に変換する技術です。
ここで発電された電力は架線に送られ、地下鉄の走行に必要な電力として再利用されます。
これにより通常の車両を用いた場合に比べ約3割も電力を節約することができます。
この技術により、デリー地下鉄は鉄道分野では世界初のCDM(Clean Development Mechanism:クリーン開発メカニズム)事業として国連に登録されました。

また、工事現場での安全対策を強化するため、日本の新技術も導入されました。
神戸大学が開発した「On Site Visualization(OSV)」システムです。
OSVは「現場の安全管理の見える化」技術とも呼ばれ、地盤や構造物に変位が生じた場合、光センサーの色が変化して崩落の危険を示す、いわば工事現場の危険度を知らせる「信号機」のような役割を果たすものです。
デリー地下鉄公社の現場監督は、「これまでデリー交通公社が行ってきた安全対策とは異なり、日本の新しい技術を活用しているため、現場の作業員が高い関心をもってくれている。新たな試みが作業員の安全に対する意識に刺激を与えた」と話しています。

★日本の文化を輸出
デリー地下鉄の建設には、日本のコンサルタント会社や建設会社が参加し、日本の経験が大いにいかされています。
これまでのインドの工事現場には、一般道と工事現場の仕切りもなく、ヘルメットや安全靴を着用する習慣もありませんでしたが、プロジェクトを通じて、工事区域をフェンスで囲み、ヘルメットや安全靴の着用を義務付け、工事現場内の資機材を常に整理整頓するなど、日本の工事現場では当たり前の「安全」の意識が定着しました。
現在デリーにおける工事現場のほとんどがフェンスで囲まれているのも、このプロジェクトがもたらした成果の一つであるといえます。
また、プロジェクト開始直後は業務開始時間になっても集まらなかった作業員に、毎朝決められた時間に集合することを徹底し、定められた工期を守るという「納期」の重要性を浸透させました。

工事現場以外でもインドの文化への影響がみられます。
これまでのインドでは、所得や階層の高い市民は公共交通機関を敬遠する傾向にありました。
そのためデリー地下鉄開通前のデリー市では市民の交通手段が所得水準や階層により分断されていたのです。
そこでデリー地下鉄公社は地下鉄内でのごみ廃棄禁止ルールを徹底し、「クリーン」なイメージを確立することで、所得や階層にかかわらず地下鉄を市民が利用するようになりました。
また駅には整列乗車を促すためのラインが引かれ、駅員が乗客の整理を行うなど、「並ぶ」という習慣のなかったインドに大きな変化をもたらしています。

日印協力の輝ける成功例と称されるこのプロジェクトは、日本の協力がインドに文化的な革新を起こしたとして非常に高く評価されています。
デリーの中心に位置するCentral Secretariat駅には、日本の援助により建設されたことを示す大きなプレートが設置されており、デリー市民や旅行客の目に「日本」の文字が日々触れています。
計画中のフェーズ3(さらなるネットワーク化のために環状線を建設するもの)についても、インド政府より円借款支援の要望を受けております。
(JICA 独立行政法人国際協力機構ホームページより抜粋)

なお、11月3日、平成25年秋の外国人叙勲が発表され、インド・デリー高速輸送システム建設事業の実施機関であるデリーメトロ公社前総裁のE.スリダラン氏(現・同公社相談役)が旭日重光章を受章しました。
11月6日に皇居宮殿で執り行われた旭日重光章伝達式では、安倍首相からスリダラン氏へ勲章および勲記が直接手渡され、その後、天皇皇后両陛下への拝謁も行われました。
http://www.jica.go.jp/mobile/press/2013/20131107_02.html

日本の技術や文化がこうした取り組みによって、世界に広まっていくことは日本人としての誇りであり、非常に嬉しいことです!

車やバイクの交通ルールはムチャクチャなのに、電車のホームではキチンと並ぶ(笑)

そんな不思議な世界を見られるのがインドです(^^)

明日は、スラムの学校で学ぶ子供たちのレポートです。
ここでも衝撃の出会いがありました!

つづく…。

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