2013年11月15日(金) 【スラム街を歩く】
前回からのつづきです…
Shadipur駅を降りて、目的のスラム街を目指して歩いて向かう。
スラム街に関しては、日本で入手できる情報は少ない。
『地球の歩き方-インド』(ダイヤモンド社)には、600ページにも及ぶインドに関する情報が記載されている。
しかし、スラム街について書かれた詳細な記事は、どこにも載っていない。
ネットを使って情報収集することになるが、机上で入手する情報と、実際に肌で体験して得る情報とでは、自分の中に入ってくる情報の質が全く違う。
ここ現地で、自らが体験したことこそ、自分にとっての生きた情報となるのだ。
目的のスラム街は、Shadipur駅から歩いてすぐのところにあった。
大通りから脇に入って細い路地を歩いて行く。
目の前に広がる衝撃の光景。
言葉という伝達手段を使って当時の様子を表現したいが、適当な言葉が見つからない。
初めて見る現地のスラム街を目の当たりにして、まさに『言葉を失っていた』という表現が適切だろう。
こんなところでも、人間は生活できるもなのなのか。
スラムの入り口から、あちこちに枝分かれした細い路地を歩いていく。
先ほどのスコールの影響で、足元はぐちゃぐちゃ。
転んだり水たまりにはまらないように注意して歩いていく。
スラムの住人たちが物珍しい目で、私たちを見つめてくる。
真っ直ぐな眼差しでこちらを見つめ、決して目をそらさない。
やましいことは何もしていないのだが、彼らとじっと目を合わせることができない。
見てはいけない他人のプライバシーをのぞき見しているような罪悪感からなのか。
逆にこちらが目をそらしてしまう。
他人の目を見て心を揺り動かされる体験なんて、日本で滅多にできるものではない。
彼らは未来に向かって生きているのか。
いや、目の前の現実だけを見つめざるを得ない状況の中で、今を必死に生きているのだろう。
入り組んだ細い路地をさらに歩いて行く。
しばらくすると、目の前に2F建ての建物に到着した。
ここでスラムの子供たちは学んでいる。
階段を上って2Fへいくと、子供たちが笑顔で私たちを出迎えてくれた。
つづく…。
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