スタディツアー参加者感想文(2014秋)


・第六回秋スタ参加 土屋智恵利(大学生/東京)

今回の旅では初めての「スタディツアー」でスラム街に行くということで観光だけでなく普段の旅行だけでは目にすることができないであろう場所に赴けたことはとても大きいものだった。
まずインド国内の格差について、インドは国も人口も大きいため貧困の格差が大きいことも予測がついていたが、首都のデリーは結構にぎわっている通りだなと思いながら車から窓の外をみていても、いきなり町がスラムとなったり、建物が激変するというところがあり、衝撃を受けた。スラム地域が表通りに目立つように存在しており、首都でも貧困の格差が目に見えてはっきりとわかった。また、今回のツアーでは合計で5カ所のスラムをみて回ったが、スラムといっても様子が異なることに気付いた。驚いたのは、一つ一つのスラムにはリサイクル産業や洋服作り、陶芸、ヤギの皮でバッグを作る、といった独自の強みがある、ということだ。今回訪れたスラムは、誰かしらの目や援助があるスラムだったが、誰の目にも注目されていないスラムもまだ山ほどあると考えると果てしない気持ちになった。

また、ネルー先生の学校では子どもたちがダンスを披露してくれ、女の子たちが自信に満ち溢れる様子で堂々と踊りを魅せてくれるところを見て、たくましく強いなと思い、アートワークでは私たちが見ていた女の子たちは次々と自分たちでお花の絵を華麗に描き、発想の柔軟性や独自性を感じた。こんな風に一人ひとりの子どもたちの可能性を開花できたらなんて幸せなんだろう。しかし、それは本当は当たり前のはずなのではないか・・・。
また、デリーの私立学校に訪問できたことも私にとって有意義なものとなった。公立と私立の一番の違いは授業が英語かヒンディー語で行われるかと言った、言語上の問題や教員の質や数の少なさであった。英語はこれから勉学を続けていく上で必須となり、上級学校に進むときに英語力の差が成績にも影響してくるとのこと。これはスクールの人も言っており、同じ問題を抱えていた。またスラムから82人の生徒が私立学校に通学したとしており、しかしその一部の人たちは、奨学金ではなく働きながら自分で教育費を稼いで大学へ行っているそうで、個人への負担が大きく教育を受ける機会の格差もこのままだと大きいままではないかと感じた。公立学校において驚いたのは、先生がまだ21歳で大学に通いながら正規の先生として働いていた事だった。スラムから上の教育機関に通う人の話にもあったようにフルタイムで働きながら大学に通う人は結構いるのではないだろうか。

そして、最後に衝撃的だったのは、日曜日の最終日にタージマハルに行った時に子どもたちも学校がお休みだからか入り口付近に子どもたちがいて飾り物となるような置物をルピーなどいいながら商売してたこと、また、一生懸命リサイクルのためにペットボトルを拾う子供もいた。恐らく学校のない土曜日、日曜日はいつも観光地に来てこのようなことをするのが日課になっているのではないかと思った。大人の人もそうだが、決して甘んじて生きている子どもはおらず、生きるすべを見つけ必死に生きている現実を感じた。そしてみんな言い顔をしていたし、自信もあった。この前向きな精神を私も持ってこれから先もインドの人のように堂々と生きて行きたい。