Be The Change Project 2018感想(かれん)


 

ストーニーブルック大学経営学部卒業 松本佳恋

4月から社会人になるにあたり、今しかできないことをしようと思い選んだのがBe the change projectの参加でした。渡航前から色々な噂を聞いていたインド。その中でも惹かれたのは「何が起こるか分からないのがインド」という言葉。アメリカの大学を5月に卒業してからバイトばかりの平凡な日々を送っていた私は刺激を求めてインドに行きました。

滞在した二つの街、ダラムサラとデリーはとても対照的な街でした。空気が綺麗で毎朝ヒマラヤ山脈をみて1日をスタートできるダラムサラ。道路は常に渋滞でクラクションが止まらないシティらしさが満載のデリー。
これまで神戸・大阪・ニューヨークと都会での生活が中心で都会を好んできた私ですが、デリーから夜行バスで12時間乗って着いたダラムサラは、インドだというのを忘れてしまうほど居心地がよかったです。

 

何が起こるか分からないインドでは実際、帰国前日にほぼ全員でお腹を壊すと言うハプニングがあり、「これがインドか〜」と最終日に実感しました。と共に、それ以外は特に大きなハプニングも個人的な大きな変化もなかったのが正直な印象です。4月からの日本での社会人生活に不安と疑問を持っていた私は、インドへ行くことで何らかの答えを見つけようとし、インドに勝手な期待をしすぎていた・インドに求めすぎていたのかもしれません。

 

ですが、たくさんの刺激と学びはありました。
一つは社会人になっても一生学び続けたい、もっと勉強したい!と感化されたことです。
私は勉強がしたくて海外大学を進学先に選びました。そして実際入学から卒業までの3年間、暇があれば勉強をする毎日を送っていました。ですが3年間勉強した内容にはチベット難民が登場することはありませんでした。レインボーチルドレンとの出会いがなければ、チベット難民について知ることもチベット人に出会うこともなかったと思います。そう考えると自分の持っている知識はまだまだ少なく、世界の現状をまだまだ自分は知らないのだと実感しました。自分が知らない世の中についてもっと知りたい。今まで興味を示してこなかった難民問題や発展途上国についてもっと勉強したい。もっといろんな国に行って自分の目でその国のリアルを知りたい。そう強く思うことができたのはわたしにとって大きな収穫だと思います。就職してからは今まで以上に視野を広くもち、忙しいのを理由にすることなく様々なイベントや勉強会への参加を積極的に行っていきたいと思います。

もう一つは就職して企業に所属しても「ただ毎日仕事に行って帰るだけの社会人」になるか、「誰かあるいは何かに変化をもたらすことのできる社会人」となるかは自分次第だということへの実感です。
アメリカの自由でユニークさが受けいれられる環境が居心地よく、日本帰国前から日本で働くことに関してネガティブなイメージを持っていた私。日本のルールだらけの就職活動に違和感を持っていた私。そんな私は日本の教育を変えたいと思いながらも(言いながらも)、最終的には卒業後の進路に日本のメーカー企業を就職先に選びました。たくさん考えて今の自分に一番良い道を選んだと内定を受諾した時は思っていましたが、時間が経つに連れて大学院への進学を決めた友人をうらやましく思ったり、他にもっといい選択肢があったのではと他の何かを探したりする自分がいました。そんな中でチベット奨学生とレインボーチルドレンを運営されている石川代表に出会うことができました。
ワークショップで出会ったチベット奨学生は皆、自国への愛と思い入れがすごかったです。「チベットのために」というフレーズを彼らから聞く度に自分の日本に対する思い入れとの差を感じました。毎日を大切に、そして前向きに生きている彼らはきっとチベット社会に変化をもたらすリーダーとなるのだろうなと思うと自分は日本のためにあるいは世界のために何ができるのかと考えました。
そして石川代表がチベットで大きな変化を与えているのをダラムサラでの教育省訪問で感じました。仕事と同時並行でNPOを立ち上げ、今では奨学生100名をサポートするまでになったレインボーチルドレン。石川代表を見て、就職先と関係ない分野であっても、企業外でも、自分にも社会を変えるためにできることがあるはずと思うことができました。
自分に何ができるのかまだまだ答えは見つかっていませんが、就職することを理由に何かを諦めたり、制限をつけたりする必要は全くないとこのタイミングで再確認でき本当によかったです。

Facebookでたまたま見つけて知ることになったレインボーチルドレンでしたが、あの時駄目元で石川代表にメールをした半年前の自分を全力で褒めたいと思います。それだけ自分にとって価値のある12日間でした。4月からは新しい場所でレインボーチルドレンと今回のBe the change projectで出会った人たちとのご縁を大切に自分らしく頑張っていきたいと思います。