スラムプロジェクト最終寄付金について


 

<はじめに〜スラムの未来の貯金箱について〜>

元奨学生サンタンが暮らす、デリー最大のスラムにおけるスラムプロジェクトに関してご報告させていただきます。

まず、これまでレインボーチルドレンで管理してきた「スラムの未来の貯金箱」についてご説明いたします。

「スラムの未来の貯金箱」 は、2020年2月に行われた、「レインボーチルドレン×Jammin スラムスクール応援チャリティー」によってご支援いただいた寄付金全額を「スラムの未来の貯金箱」という形で、現地駐在ボランティア三輪さんに厳重に管理していただき、計画的かつ継続的に必要経費のみ都度現地にて寄付を行ってきたものになります。

「スラムの未来の貯金箱」についてのレポート
↓↓
http://rainbowchildren.holy.jp/archives/15728

上記のレポートを公開したのが、2021年4月。
デリーではロックダウンを経て、スラムスクールが再開できそうな兆しが見えてきた頃でした。
しかし、この直後、インドでは爆発的なコロナ感染第2波のパンデミックが訪れ、ピーク時には新規感染者数が40万人を超え、事実上医療体制が崩壊するという緊急事態に陥ってしまいました。

そのため、スラムスクールは再度休校へ。
サンタンは、次回の再開は、情勢を鑑みてさらに慎重に行うことに決定しました。
この間、サンタン自身は本業である観光業をほぼ完全に失っていたため、なんとか別のアルバイトを見つけ、自力で生計を立ててきました。
同時に、オンラインツアーなど、この環境下で出来る最大限の方法を模索していましたが、従来のツアーのようになかなか最善の方法で軌道にのせることがかないませんでした。


このような背景に伴い、「スラムの未来の貯金箱」のレポートはスラムスクールの再開まで一旦中断となりました。
ただし、スラムスクールが休校していようが、土地の賃料(家賃と呼ばれるもの)は毎月発生するため、毎月の賃料はこの「スラムの未来の貯金箱」から充てられていました。


<スラムの未来の貯金箱①②の現状内訳・残高>

ここで、2022年10月時点での「スラムの未来の貯金箱」内訳と残高について整理してお伝えしておきたいと思います。

■2020年2月に行われたRainbowChildren×JAMMINチャリティーイベントによる日本での寄付総額:
157,653円(≒104,500ルピー)

上記寄付総額を貯金箱①②に分けて管理し、2022年10月時点での残高は以下になります。

■貯金箱① 子どもたちの文房具や教材費用
14,500-5,440=9,060ルピー(≒ 15,642円)

■貯金箱②学校の運営・維持費用(土地の賃料)
90,000-3,000×18ヶ月(2021年3月〜2022年9月)=36,000ルピー(≒ 63,936円)
※当初のレポートでは月5,000ルピーと記載しましたが、その後サンタンより訂正があり、月3,000ルピーに修正されました。

■ 貯金箱①+ 貯金箱②総残高
45,060ルピー(≒ 80,026円)

 

コロナ禍により一時職を失っていたサンタンにとって、ここまで土地の賃料の支払いを安心して維持できたことはとても大きな救いとなりました。
チャリティーイベントでご支援くださった皆様、本当にありがとうございました。


<スラムプロジェクト最終寄付と内訳について>

前述の「スラムの未来の貯金箱」のレポートの一旦中断により、報告できていなかったのが

■貯金箱③今後の子どもたちの学習環境向上用

についてです。
この貯金箱の目的は、将来的にスラムスクールの学習環境向上を目指すための設備の初期費用等に充てることでした。

団体としては今回が最終寄付となるため、賃料や教材のように消費して後に残らない物ではなく、何らか形として残り、さらにそこから発展していけるものへの投資に充て、スラムの子どもたちの未来へと繋げてほしいという願いから、この貯金箱③へと最終寄付金100,000ルピー(≒ 172,802円)を送りました。

この100,000ルピーにはレポート中で触れていた、2021年度開催のH2OサンタNPOフェスティバル@阪急うめだ本店における寄付金全額が含まれるため、併せて内訳を下記にご報告いたします。

<2021年2月>
●JAMMINチャリティーTシャツ販売分・・・4,900円
●ブライスオークション配当寄付分・・・ 12,5298円

<2021年7月>
●会場設置募金箱・おもしろ募金箱分・・・ 17,585円
●JAMMINチャリティーTシャツ販売分・・・6,300円
●香り玉プロジェクト物販寄付分・・・8,130円

計162,213円(≒93872ルピー)

温かいご支援、ご協力いただいた皆さま、あらためて本当にありがとうございました。


<スラムプロジェクト最終寄付の使途について>

ここまで、使途別に貯金箱を分けてスラム宛の寄付金を管理してまいりましたが、最終寄付金をどのように子どもたちの将来に最大限有効活用できるかについて、数ヶ月に渡りサンタンと協議を繰り返してきました。

その結果、この度サンタンが新たに公的に設立する『STREET LEARNING INDIA』というトラスト宛に一括寄付を行う決定に至ったことをご報告させていただきます。

トラスト設立にあたっては、公的な書類の提出や活動していく上で収支報告などが求められ、個人レベルではなく今後より透明性の高い、社会に向けた活動を行っていく必要があります。

今まではサンタンが独立して行っていた観光業の中に、「スラムツアー」としてスラムスクール運営・維持のための事業が盛り込まれていましたが、トラストを設立することによってスラムスクール単独のプロジェクトがより明確化され、国内外から信頼のおける団体として認知される一歩を踏み出せたのではないかと思います。

ここまでレインボーチルドレンで管理してきた貯金箱の寄付金残高と、団体口座を通さず三輪さんに直接送金した個人寄付を全て合算し、下記合計金額をトラスト宛に送金が完了いたしましたことをご報告いたします。

■ 貯金箱①②+③(最終寄付金)合計
145,060ルピー

■直接個人寄付合計
9,236ルピー

計154,296ルピー(≒ 274028円)


<元奨学生サンタンからのメッセージ>

最後に、レインボーチルドレンの元奨学生であり、現在はこのスラムプロジェクトのリーダーとしても活動を続けているサンタンより、サポーターの皆さまへのメッセージを紹介いたします。

「スラムスクールと子どもたちをずっと応援してくださっているサポーターの皆様、本当にありがとうございます。いつも皆様の温かいご尽力に感謝申し上げます。
私たちは、今後も継続して、スラムスクールで子どもたちをサポートできるよう全力で努めていきます。
幸運にも私たちは、いつもサポーターの皆さまからのご支援を受けることができ、そのお陰で教室や図書室を建てることができました。
また、デリー大学で、修士号を取得したいという私の願いを叶えるために支援してくださった日本人サポーターの皆さまにも心から感謝しています。
将来、みなさんが私を必要とする時や、皆さんがインドに来た時はいつでも、次は私が皆さんを助けられるようになりたいと思っています。
Arigato-ありがとう-」


これからもサンタンやスラムの子どもたちへ、どうぞ温かい応援をよろしくお願いいたします。

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