*1/25(日)もうひとつのインディア主催者レポート*
Episode.2
1番目のプログラムは、
この日はるばる東京へお越しいただいた映像作家・映画監督のキム・スンヨン監督と、 レインボーチルドレン代表石川辰雄氏によるトーク対談でした。
対談では、キム・スンヨン監督の映画「呼ばれて行く国インド」の部分上映。
そして、チベット(ダラムサラ)、
スラムというレインボーチルドレンが活動するきっかけとなった監督の映画との出会いのエピソードを交えつつ、、、
監督がカメラを通してみたインドと、レインボーチルドレンが活動を通してみたインドについて、
スライドで写真を紹介しながら、
時に真剣に、
時に笑いも起こりながら、
堅苦しくない雰囲気で話は進みました。
ゲストの皆さんも、お食事をしながら、話に耳を傾けていらっしゃいました。
後でたくさんの方から、インドに行ってみたくなった、というお言葉をいただきました。
和やかな空気と、実際に何度もインドの地を踏まれているおふたりだからこその対談、本当にありがとうございました。
*****
部分上映の中では、レインボーチルドレンのデリー支部長もつとめるサージャンの話がありました。
「スラムの子供たちがゴミ拾いや物乞いをして稼いだお金は、全部親のものになる。
子供たちが学校に行きたいというと、親が怒る。
学校へ行ったら、仕事ができないだろう、と。」
ちょうど、秋のスタディツアーから帰国して少し経ったとき、ツアーで訪問したスラムのひとつで、7歳の男の子が日課のゴミ拾いの仕事中に、
誤って貯水場に落ち、亡くなったことを知りました。
日本で生きてきた私たちには、なかなか理解しがたいことかもしれません。
けれど、そういった現実が、
確かにそこに、ある。
もちろんインドだけではありません。
理解はできなくても、
想像はできる。
子供たちには、
子供たちの感情があるでしょう。
それをしたら親が喜んでくれるから、と一生懸命やっている子もいれば、
嫌だなぁ、と思いながらやっている子もいるかもしれない。
だから、彼らの本当の望みという意味では、個人的にわたしの物差しだけで判断することなどできません。
ただひとつ言えることは、
きっとほとんどの子供たちが、選択肢というものを持っていない。
「それしかない」ということです。
選択肢がなければ、「じぶんで選択する」ということもできない。
変わらないこと、
簡単に変えられないこと。
その中でも、
じぶんで選択するちから。
たとえ、
それが叶おうが叶わまいが、
じぶんで選ぶという経験の連続が、
きっと糧になる。
もちろん支援というものも「それしかない」になっても意味がないと、わたしは思っています。
その世界の正しさだけでは計れない、生まれ持った美しさが命ある全てのものにあると思います。
だから、その世界の正しさや常識の中では見過ごされたり不本意に命を落としてしまう子供たちがひとりでも減ってほしい。
泥だらけでもいい、美しいあの瞳で生きていけることをこれからも願います。
(東京支部長 三村優子)