2016秋のスタツア感想文④~かおりの場合(幼稚園教諭・兵庫)

 

なんとなくネットを開き、たまたま見つけた今回のスタディツアー。

これまで、チベットのことは知ろうとしていませんでした。まして参加を決めた後も、支援活動に対してイメージがつかめていなかった私。正直、奨学生ミーティング??という思いでいました。

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しかし、交流会でレインボーチルドレンが支援していた卒業生によるスピーチを聞いた時、光を感じました。

自身の英語力は乏しいため、彼らが語った言葉を丁寧に理解することは難しかったのですが、それでも伝わってくる空気、思い、未来。

奨学金というこの支援活動が、彼らに光を与え、命を輝かせていることを肌で感じ、感激という言葉では物足りない何かを与えてもらいました。

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私は最近まで幼稚園教諭として働いていました。

訪問させて頂いた学校園では、その理念や環境に学ぶところが多々あり、先生から聞いた「愛情をうけた子ども達は、他の人達にも愛情を与えることができる」という意味の言葉は、当たり前のようで、とても大事な気付きを与えてくれました。

そして何より、チベットの人々が国を思い、子ども達を愛し、「利他」という精神のもとに生きている姿に触れ、その中心とも言える亡命政府のセンゲ首相から、教育やアイデンティティについて話を聞くことができ、国の基盤において教育というものの重要性を感じました

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日本人としての自分のアイデンティティは何なのか、教育に携わる者として、子ども達にこれから何を伝えていったらいいのか、そして平和につながるために自分ができることは何なのか。

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参加前、私はチベットのことは何も知りませんでした。帰ってきた今、まだ知らないことはたくさんあります。

けれど、チベットの人々が生き、国をつないでいく思いにかすかに触れることができたような気がします。それは、私にとって新たな種となり、この先の道の支えとなってくれることと思います。

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最後になりましたが、この貴重な経験を与えて頂いた代表の石川さんをはじめ、レインボーチルドレンの皆様、そして一緒に同じ時間を過ごすことができた参加メンバーの皆様には感謝でいっぱいです。

この教育支援がさらに広がっていくことを願い、これからも、自分のできる形でかかわり続けていきたいと思っています。

この団体の熱い思いが、もっとたくさんの人にふれる機会をつくれないものか・・・もったいないと思います!
ありがとうございました。

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2016秋のスタツア感想文③~尚子の場合(ヨガインストラクター・栃木)

 

「レイチルの教育支援は、この星を愛と調和の世界で満たす支援」

レインボーチルドレンの13日間のスタディーツアーを通して、徐々にこのように確信していきました。

約17年前、ドキュメンタリー映画「チベットチベット」を観て、チベット民族たちが中国共産党政府から迫害を受け、故郷を追われインドのダラムサラという地域に暮らしていることを知ってから、いつかは訪れてみたいと考えていました。正直、いつでもダラムサラに行くことは出来ましたが、単なる旅行ではない特別な入り口を探していました。

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そんな中ご縁とタイミングに恵まれて、レインボーチルドレンのダラムサラとバラナシを訪問するスタディーツアーに参加することを決意しました。直感で参加したいと思いましたが一つ不安を感じていました。

それは、レイチルの活動の中心である「教育支援」です。

高等教育に行く子供たちの支援が、必ずしも世界平和に繋がるとは限らないと考えていました。日本においても、高学歴を得ても本当にしたいことは何なのか、自分自身は何者なのかを見失い、世界を良き方向へ導くどころか、自身の人生さえも上手く築くことが出来ずに悩める人々が多いと感じていたからです。

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しかし、レイチルのスタディーツアーは、私のこの認識を見事に覆してくれました。

サラ大学で竹細工のワークショップを行った後、チベタン奨学生と感想をシェアし将来の夢を語り合う機会に恵まれました。

一人の学生は、今は最もチベット語と仏教哲学を学びたい、そして英語はもちろん中国語もしっかりと学び、チベット民族が今置かれている状況を少しでも改善していきたいからそのためにも中国と平和的に交渉出来るように私は通訳者になりたい、そう語ってくれました。

また一人の学生は、チベット語と仏教哲学をしっかりと学び、その思想をチベットの子供たちへ伝えられるようにチベット語の先生になりたい、世界が平和になるためにはまず一人一人のマインドがピースである事が必要、仏教哲学はその大切さを教えてくれている、その事を私は自分の民族に伝えていく役割を担いたい、そう語ってくれました。

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お話を伺ったノドゥプ教育大臣やセンゲ首相は、チベット民としてのアイデンティティの育成をかなり重要視されていましたが、見事に学生たちもその意志をしっかりと受け取っている事に大変驚きました。

ダライ・ラマ法王がティーチングで語っていた「まずは愛を満たすことが大切だ」というお言葉や、ペトンスクールの校長先生の「愛情を受けて育った子どもたちは、他者へ愛を伝えることができます。平和はそこから始まるのです。」というお言葉も表しているように、チベットの教育は、「人としての成熟」をまず第一に大切にしている事を思い知らされました。

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であれば、、、
チベットの方たちは、確実に世界平和を実現してくれる。
そう確信したのです。

何千年の歩みで進化したチベタン仏教哲学をベースに、僧侶たちの瞑想や市民たちの祈りが、個人を超えた文化的なアイデンティティを繋ぎ育み続けている。レインボーチルドレンのスタディーツアーで、チベットのそんな一面を垣間見させて頂きました。

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そしてこれからは、レイチルのチベットの教育支援や国際交流を通して、私たち日本人もチベット人たちの姿勢を学びつつ、日本のアイデンティティと平和意志もますます高めていける事を心から強く願います。

奨学生MTの際、レイチル代表石川さんの深い愛情と信念に触れ心が震えました。また、代表を支える北條さんの涙にも。そして、スタツアをご一緒したメンバーとの出会いも一生の宝です。多くの感動を、ありがとうございました。

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2016秋のスタツア感想文②~大介の場合(竹細工職人・栃木)

 

「インドという国は、必然のタイミングがあって行くことになるのかもしれません。」

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ちょうど旅の半年前に独立し、竹細工職人としてスタートを切ったところでした。

「日々、精いっぱい誰かのために役立つものをつくり続けたい…」

経済的には楽ではなかったけれどその気持ちだけで生きていけるような気がしていました。

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旅の前、パートナーと「ものを作るという行為は、祈りに通じるんだね」という話をしていました。

カタチに込める想い。
祈りのチカラ。
科学が発達するほどに、それはオカルト視され、大きな経済という歯車のなかで掻き消されていってしまう。

その波に飲まれかけていた僕に、バラナシの路地裏のサドゥーや、幻想的な火灯りに包まれたpujaは、鮮烈に何かを訴えかけてきました。

自分のためではない誰かのために命をかけて祈りを捧げる姿に、宗教を越えた「利他」の精神を見て、心が震えました。

本当に誰かのために生きるとは、このことなのか…

翌朝ガンガーの素晴らしい朝日を見ながら、自分の将来を想いました。

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今回のツアーで、デリーのMTとサラ大学でチベタン奨学生を対象とした竹細工ワークショップを行わせて頂きました。

奨学生たちは、見慣れているけどインドのものとはちょっと違う、日本の竹の質感を楽しんでくれているように見え、やはり竹はアジアを繋ぐ「鍵」に成り得ると実感。

各チームに入ったレイチルメンバーは、ぶっつけ本番だったにも関わらず、僕の稚拙な解説をうまく翻訳して完成に導いてくれました。
その後、文化交流としてサラ大学では彼らの伝統的な舞いをみんなで輪になって踊ったことも、忘れ難いすばらしい体験でした。

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純粋で明るいチベットの奨学生たちを見ていると故郷を捨てて来ている事を忘れてしまいそうになります。

遠く離れているからこそ、大切にすべきものが分かっているのかもしれません。

また後日に訪れたノルブリンカでの伝統を守ろうとする手仕事の数々にも、改めて日本文化を誇り、見直すきっかけを貰いました

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最後に、ツアーを企画し学びの契機を与えてくださったレインボーチルドレンのみなさん、助け合い支えてもらったメンバーのみなさん、本当にありがとうございました!

これからも世界との繋がりを感じ、インドで学んだことを忘れずに、日本での生活を楽しんでいきたいと思います。

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2016秋のスタツア感想文①~勇の場合(経営者・神奈川)

 

会社を経営している宅島と申します。

私は石川代表と大学の同期で、レインボーチルドレンを知り、参加させてもらいました。

レインボーチルドレンのスタディーツアーは、観光や自由時間はごくわずかでアクティビティがびっしりでした。

チベット亡命政府ロブサン首相との面会、教育大臣との食事会、ダライラマ14世のティーチング、ニューデリーの奨学生ミーティング、ダラムサラの奨学生ミーティング、奨学生との食事会、職業訓練大学見学、ダラムサラ幼稚園・小学校訪問、スラムツアー、スラムの小学校訪問、バラナシーの小学校訪問、チベット料理教室、プージャ見学、朝ヨガなど。

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私の今回の目標の1つは雑誌や映画で見ていた世界を自分の目で見て体験したいということでした。

その点で、このツアーでは通常の観光ツアーでは体験できないようなディープな内容を体験させていただきました。

ダライラマ14世のティーチングを拝聴し、ロブサン首相やノドゥプ教育大臣の信念などをお伺いすることもできました。

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もう1つの目標はインド人およびチベット人とコミュニケーションする、仲良くなるということでした。

世界平和のために重要なことの1つがコミュニケーションだと考えるからです。

幼稚園から大学まで様々な学校に訪問させていただき、小学校では子供たちと駒を作り、大学ではみんなで日本の竹細工を作りました。

彼らには私たちとの交流をきっかけに日本や世界に興味を持ってもらえたら思っていたのですが、その目的は達成できたと思います。

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レインボーチルドレンではスラムの撲滅に対してはスラム出身のリーダーを育てる。

チベットの中華人民共和国からの奪還に関しては、チベット人のリーダーを育てることによりこの問題解決をサポートしていこうと考えています。

時間はかかりますが、私もそれが最善の方法だという気がしています。

レインボーチルドレンを通じ、今後もできる限りの支援をさせていただこうと考えています。

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2016春のスタツア感想文⑧~大輝の場合(大学生・千葉)

 

正直、今回の2016年春のスタディツアーに対する想い入れはほぼ無かった。

次期インターン生としての絶対条件でしかなかった。

そして、それはレインボーチルドレンジャパンのインターンが本格的に始まるまでの「通過点」でしかなかった。

しかし、そのただの「通過点」が「分岐点」に変わったと感じた10日間のスタディツアーとなった。

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このような機会を持てたことに対して、レインボーチルドレンジャパン代表の石川さんを中心とするメンバーの方々、ダラムサラを拠点とするチベット亡命政府の協力者の方々、チベット人学生たち、デリーのスラムやストリートチルドレンに対してアプローチを取るNGOや子どもたちやガイドの方、宿を提供して下さった方々、そして自分の意志を尊重し応援してくれた家族、友人や先輩方には、ただただ感謝でいっぱいです。

ありがとうございました。

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さて、今回のスタディツアーは「チベット・スペシャル」ということでインドにいながらもチベット問題を中心にチベットの奥深い「ソレ」に触れることが多々あった。

それは一言二言では表現出来ない。

そして私はその「ソレ」についてチベット人と共に感じ、考え、これから少しずつ発信していかなければならない。

「しなければならない」という言葉に対して語弊を招くかもしれないが、これが今の私の最善である。

私は感じたこと考えたことを表現すること、そしてそれを言語化することを苦手とする。

しかし、それが現地にいるインターンとして果たすべき役割であり、より多くの人に「ソレ」に触れるきっかけとなるのではないか。

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ただ、このわずか10日間でも感じられたのは、私が知る限り自明であるかもしれないが全てのチベット人が「FREE TIBET」という一つの「ソレ」に向けて互いに静かに寄り添い合い、「利他の精神」を持ちつつ己と向き合っているということ、である。

それは力強く、また自分の内面とも向き合うきっかけを与えてくれる。

そんな「チベット・スペシャル」であった。

2016春のスタツア感想文⑦~孝子の場合(香り玉アーティスト・京都)

 

【思うこと】

 

人は

努力しないでも、
すぐにできちゃうこと。
少しの努力でできちゃうこと。

なぜかずっと続けていること
なぜかずっとやりたいなって
気になっていること

単純に好きな事

が、ある。

小さい頃からすごくはないけど、
ずっと続けてきた事

それが、編み物。

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セーターを編み上げるほどではなかったけど、

いつもカバンやポーチとか
小物を作っていた。

そして、

棒針でなく、かぎ針が好き。

私にとって、かぎ針は、
どこへでも持ち運べて、
小さなスペースでできて、
手軽さがいい。

実際、
電車の中で編んだりしている。

(こういう話は編み物を知っている人にしか
わからないかもしれないですね。)

難しい編み方は全くやらない。

ほんと単純な編み方だけ。
シンプルな編み方で、
糸の組み合わせや色使いを楽しむのが好き。

私の母は編み物の先生をしている。
いつも私の編み方がなってないと言う。

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そんな私が

インド ダラムサラへ行き、
香り玉の編み方を教えている。

私は、
2008年から香り玉を作り始めて
なんとなく夢みてた事があった。

それが、
このスタディツアーに
参加するようになって、
今、
現実化できそうな気がしてる。

自分のやりたい事、
思いがあって、
それを受け取って作ってくれる人がいる。

出来上がったものを
楽しそうに喜んで買ってくれる人がいる。

作ってくれた人の収入になる。

そして、
新たな作品が生まれる。

循環が生まれている。

チベット仏教の教えに
「利他」というものがある。

香り玉をなんども作ることを
やめようとしたけれど、
やめなかった。

2008年から作り続けてこれたのは、
香り玉を喜んで買ってくれる人、
注文してくれる人がいたから。

人が喜ぶ姿を見られたから。

私が作って、
売り始めた事かもしれないけれど、
私のためにしてきたように見えることだけど、

これも、
利他と言えるのかもって思える。
1人でも喜んでくれる人がいる。
そんな利他でもいいんじゃないかなと今思える。

自分のやりたいが先にあっても
いいんじゃないかなって思える。

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そして、

自分の中に握りしめていたものを手放した時に
利他が目に見えて現れてきた。

喜ぶ人がさらに増えた。

自分のやりたいに素直になってみようと思う。
たくさんの人の力を借りるかもしれないけど…。

誰かのために、
相手の人のために何ができるか、
その場所で自分は何ができるのかと
先に考えてなくても、

自分のやりたいや好奇心、
思いを追求すれば、
そうすれば自然と場所が出来、
自然と利他が生まれ
喜んでくれる人が
でてくるんじゃないかなって
思える。

自然な流れが生まれれば、
それが、

自分の生まれてきた理由のような気がする。

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すごい事が出来なくてもいい。

必要なのは、
すごい事が出来ないかもしれない
自分にもOKを出し、
自信がなくても、
自分の思いに素直にやってもいいよと
言ってあげることなんじゃないかな。

私がやっていることを見て、
どこかで誰かが
がんばろって
思っているかもしれないよね。

そんな直接目にみえない利他でもいいよね。

勝手な思い込みの利他から解放されて、
そんな風に考えられるように導いてくれた
スタディーツアー参加者たち、
出会ってくれた人たち、
周りの人たち、
どこかで繋がっている人・物たち

全てに感謝します。

そして、
すでに出会ってくれた人たち、
まだ出会っていない人たち、
これからもよろしくお願いします。

今、
香り玉がインドネシア、
ネパール、
そして、
アメリカへと
広がる事を夢見つつ…。

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最後にーーーーーー

「祈りを捧げるように働こう
祈りを捧げるように作ろう

世界が平和で
全ての人が幸せであるように

うたうように祈ろう

そして、
全ての人が幸せだと思うところから始めよう」

2016年3月 ダラムサラ

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最後まで、読んでいただきありがとうございました(^O^)

2016春のスタツア感想文⑥~AKOの場合(教育関係・神奈川)

 

~チベットの人たちの美しい心に学ぶ ~

 

今回、初めてツアーをご一緒させて頂き、普通だったらなかなかできない体験をたくさんさせて頂きました。
まず最初に、代表の石川さん、そして、それをサポートするメンバーの皆さんの温かなまなざしと、互いを思いやる絆に敬意を払うと共に、参加させて頂いたことに心から感謝申し上げます♡。
特に石川さんの並々ならぬ活動への想い、それをやり遂げるための決断力には頭が下がり、こうして旅が終わってみると、今回、私は、このようなメンバーの皆さんの素晴らしい価値観や生き方のようなものを学ばせて頂く必要があったのかな?とも感じています。

訪問先は、デリーのスラムの子どもたちのための「野外にある橋の下の学校」や、ダラムサラのチベットの伝承医学や仏教についての施設や子どもたちの幸せと健全な発達を願っているすばらしい教育方法など、どれ一つとっても、興味深いものばかりで、私に重要な示唆を与えてくれました。
また、チベットの方の家に実際にお邪魔させて頂き、美味しいチベタン手料理をご馳走になったことも、私にとって、現地の人々の生活文化に直接触れる貴重な機会となりました。

このように、ツアーは魅力的な企画が満載なのですが、今回は、その中でも、チベット人の多くが生命を賭けて亡命し、難民としてここダラムサラに住んでいることについて、感じたことを書きたいと思います。

* * * * *

ダラムサラは、歴史上、よく知られているように、中国によるチベット侵攻が進んだことから、チベットを守ろうと、1959年にダライ・ラマと、祖国を離れざるを得なかった多くのチベット人によって、北インドのヒマラヤの麓に作られました。その後も亡命者は跡を絶たず、現在も亡命希望者が数多く居ます。
「祖国へ戻りたい。Free Tibet!」この切実な思いは、おそらくチベットの人たちの頭から離れたことはなく、彼らは、自国の文化に誇りを持ちながら、互いに寄り添い、ここダラムサラで暮らしています。

ダラムサラ滞在3日目に衝撃のニュースが走りました。数日前に若い僧が2名、焼身自殺をし、そして、そのうち16歳の若い僧のご遺体が、明日の朝、ここダラムサラに帰って来るというのです。僧による焼身自殺は、これまでも度々繰り返されており、人々に深い悲しみや憤り、そしてやりきれなさを与えてきました。

翌朝は、ナムギャル寺で法要が行なわれるため、朝早い時間から、多くの人が寺に続く広場に集まり、ご遺体が来るのを待っていました。人々は声高々に主張することもなく、広場にはやや不安気な様子が漂っています。「ご遺体が運ばれてきたら、人々はどのように見送るのだろうか。」「チベットの未来そのものである若い生命(いのち)を失ったことは、身を切られるように辛いこと。例えば皆で、フリーチベットと訴えるのだろうか。」私はそんなことを思いながら、ぼんやりとその光景を眺めていました。

30分くらい経ったでしょうか。先導する連隊に続き、何人かに支えられて、柩(ひつぎ)がゆっくりと広場に入ってきました。人々の中に一瞬、ざわめきが起こり、落ち着いた歌声が人々の口から流れ出ました。歌詞はわかりませんでしたが、永遠を感じさせる、力強い、しかし穏やかな音色です。そして、人々は、歌を口ずさみながら、僧に捧げるため、手に持っていた細長い白い布を柩に向かって次々と投げかけていきます。それは、チベットの人たちが相手に敬意を表する時に相手の肩にかけるカタという布。山ほどの美しい白い布で覆われた柩はゆっくりとお寺に向かって行きました。


ツアー中に幸運なことに、ギュト密教学堂の高僧であるチャドリンポチェの法話に与る機会に恵まれました。リンポチェは、「かき乱された心」の扱い方、そして苦しみを滅し、永遠の幸せを手に入れる方法について、初心者である私たちにわかりやすく説明をしてくださいました。
その中でリンポチェは、こうおっしゃいます。

「なすべき実践には二つあり、それは縁起の実践と非暴力の実践である。
縁起の実践は、私たちは他に依存して存在していることを識ること。苦しみは周りが原因ではなく、自分の煩悩が自分に苦しみを与えているだけである。
そして非暴力の実践は、無数の母なる有情達を救済すること。これは菩提心であり、慈悲と呼ばれるものである。」

チベットの人たちはチベット仏教の教えを大切にし、日常の中でこの二つの実践を試みています。確かに、焼身自殺をされた僧を見送る彼らの姿からは、抗議をするという激しさも、また憎むという心の闇も感じられませんでした。彼らから感じられたのは、正に、辛さを堪えながら、それでも人を許そうと自分たちを励ます努力、そして敵も味方もなく、すべてを愛そうとする慈悲の心、、、。
人の心は弱いもの。もし、仏陀、そしてダライ・ラマ法王からの深い愛に支えられているという実感が無ければ、その実践を保つことは難しいと感じました。

* * * * *

今、地球は多くの争いに満ちています。戦争は民衆を置き去りにした国と国との戦い。どちらの国も実際に住む人々の心は変わりなく、本来はリンポチェのおっしゃるように「その本質は光である」と私も思います。そして、もしそのことを理解できなければ、結局、私たちは自分側の正当性を主張することに夢中になり、争いを繰り返すことになります。
チベット問題に限らず、現在、多くの国がこの正当性の主張と憎しみの構造から抜け出せておらず、苦しんでおり、このままでは、地球そのものが人間の無知により、滅びることになるでしょう。

今回、ダラムサラに滞在して、様々な場面で、チベットの方たちの心の美しさに触れ、地球に必要な智慧がこの小さな共同体に「確かに在る」と明確に感じることができました。人というのはここまで美しいものなのか、、、折々の場面で、チベット仏教の人間の本質を引き出すその力に感嘆せざるを得ません。
私たち一人ひとりは小さな存在ですが、チベットの人たちが持つこの稀有な美しい心を見習うことは、今後、「地球における協調と祈り」を生み出すことに確実につながっていく感じます。そしてそれが地球崩壊を回避するうねりに発展する可能性を持つことに、今回の旅で気づくことができました。

ཁྱེད་རང་མཇལ་པ་དགའ་པོ་བྱུང་ (kayrang jel-pa gawpo chung)
ཐུགས་རྗེཞེ་དྲག་ཆེ་། (tujay shita-chay)

チベット語:あなたに会えて、うれしいです。心からありがとう!

2016春のスタツア感想文⑤~Amberの場合(アメリカ人・神奈川)

 

When I decided to join the tour, I made the decision suddenly and without hesitation. My normal fears and anxieties were silent; it was as if someone were pushing me from behind saying “Go”. I didn’t know at that time how much I would be affected by the trip.

When we arrived in Delhi, I admit I was stunned at first; the dust, the garbage, the 5 am singing coming from the streets. As we met the people of Delhi, these feelings faded and the message became clear: Education changes the world. Literacy changes the lives of the children under the bridge, learning social values changes the lives of the people living in temporary shelters. Education is the most powerful tool in the world.

In Dharamsala, my heart grew bigger. The Tibetan people’s drive to preserve their culture while living in exile should be deeply respected worldwide. Hearing their personal stories, watching them create intricate, beautiful artwork, and feeling the energy of the crowd attending the ceremony for Dorjee Tsering are permanently etched in my memory. I never expected that I would be so deeply moved by their struggle. I truly believe they need to be supported by the people of the world.

My opinions on human rights have changed and my heart has grown, but not just from the Indian and Tibetan people we met. Rainbow Children and everyone involved on the tour were a big part in this change as well. I really needed a new perspective in my life and I’m excited to put more of my energy into worldwide change. I want to thank everyone in the group for their patience with my poor Japanese skill! I look forward to meeting everyone again!

 

私が何かのイベントに参加しようとする時、大抵の場合はためらうのですが、今回はそういった感情はなく、躊躇せずこのツアーに参加しようと決めました。

それは、あたかも誰かが私の後ろから”行け!”と後押ししてくれいるかのようで、私の恐怖と不安という感情は平静を保っていました。

ツアーに参加しようと決めたその時は、このツアーで私がこんなにも影響を受けるとは知りもしませんでした。

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デリーに着いた時、まず砂埃や散乱するゴミ、朝の5時に路上で歌い始める人達といった環境の違いに度肝を抜かれました。

けれども、デリーで先生や子ども達と出会うにつれてその驚きも徐々に薄れ、教育が世界を変えるという言葉が明確になりました。

識字率が橋の下で生活する子どもたちの生活を変え、道徳教育が仮設住宅で暮らす人たちの生活を変えるということです。

私は教育が世界でもっとも強力なツールであると言うことを感じました。

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ダラムサラで私の心は大きく成長しました。

チベットの人達は、亡命先でも彼らの文化の保護に取り組み、我々は心から彼らの文化を尊重すべきだと感じました。

チベット人の個人的な物語を聞き、とても繊細な工芸品や美術を拝見し、Dorjee Tseringの葬式のために集まった民衆たちのエネルギーを体感したことは、生涯忘れることはないでしょう。

抗議活動によって私の心が動かされると言う事は一度も考えたことがありませんでした。

彼らは世界中の人たちから支援を必要としていると心から実感しました。

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人権に対する私の考え方は変わり、心は成長しましたが、それは出会ったインドやチベットの人達からだけではなく、レインボーチルドレンの人達やこのツアーに関わった人達からも同様に大きな影響を受けました。

私の人生において新しい視点、観点を必要としていましたが、今は世界規模の変化のために私のエネルギーをもっと注ぎたいと奮起しています。

私の乏しい日本語能力に耐えてくれたグループのみなさんに感謝したいです。

また、みなさんと再会できる事を楽しみにしています!

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2016春のスタツア感想文④~貴志の場合(非営利団体代表・徳島)

 

リンポチェにいただいた法話が、
僕のこの5年間(エコロジカル・ファーストエイドの準備)と
完全に一致していて驚きと涙であった。

この5年間でエコファーストに込めてきた想い、
「未来を生きる子どもたちに 美しい自然を残したい」。
リンポチェも同じことをおっしゃっていた。

さらにリンポチェは、原発や化石燃料から
太陽光発電所などの自然エネルギーへの転換の話。
この5年間で、すべて僕が準備したことだった。
僕の太陽光発電所は、目的を達成するために建設した。
この収入を資金にして
由悠との技術を人々に役立てるために進めてきた。

ではなぜ、僕がここまで人のために全力で働くのか。
それは、
「周囲の人のしあわせこそが、しあわせの本質」
と感じているから。リンポチェも同じことを話していた。
これは、由悠という名前に込めた想いであり、
佐藤家が先祖代々、大切に受け継いできたものだ。

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特許技術と太陽光発電所。
もし、自己の利益のために使えば、
一生働かなくても食べていけるのも事実。
でも、
由悠がいのちをかけて残したものとは?
僕たちを取り巻くすべての”物事”には意味がある。
リンポチェも法話に触れた”因果の法則”だ。
自然界も同様で、人間にとって不益な、
微生物やウィルスまでも意味があって、
必要だからこそ、そこに存在している。
自然界には、決して不要なものは存在しない。
僕たちの人生も同じだ。
由悠がいのちをかけて残したものとは?
由悠が僕を選んで、この世に誕生し、
僕に何を残したのか。
僕は、彼に込めていた想いを
僕自身が受け継ぐことを選んだ。
僕も受け継ぐために、自分自身のいのちを燃やしている。
由悠と共に生きた期間で計画・考案した技術。
そして、彼が天国に旅立ってから装置として完成させたもの。
この技術を今は僕が、毎日体力の限界まで、
人々のために繋ごうとしている。

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リンポチェから、
がんばりすぎていることについても、
応援といたわりをいただいて、大きな勇気となった。

チベット仏教の精神が生きる街、ダラムサラ。
ダライ・ラマ法王の教え、チベット仏教の精神。
自分のいのちを燃やしての焼身抗議。
すべてが由悠と繋がった。
ダラムサラは、僕にとっての聖地だ。

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現在の僕の生活は、経済的にかなり苦しい。
でも、僕のこれまでの人生でいちばんしあわせな時間を歩んでいる。
それがなぜかというと、リンポチェの法話に答えがある。
「周囲の人のしあわせこそが、しあわせの本質」
僕の人生は間違いなく、本質を掴んでいる。
ここまで本当に多くの方々に支えられた。
心から感謝している。

水質浄化装置YOUが受け継いだ想いは、
そのまま、現在のプロジェクトに組み込まれて、発展してきた。
YOUプロジェクト、そして、エコロジカル・ファーストエイドだ。
団体目標としては、
「未来を生きる子どもたちに 美しい自然を残したい」だ。
YOUプロジェクトの活動により、
アウトカムとして、
「子どもたちが安心して夢を抱ける社会づくり」を図っている。
子どもから大人までが、自分たちを取り巻く環境に対して力を合わせる。
おそらく現地の地域住民は、こういった経験が少なかったであろうと想像できる。
YOUプロジェクトを通し、
「大人たちは子どもたちを見守り、
子どもたちはプロジェクトの経験から自分の夢に向かって進んでいってほしい」と心から願う。

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レインボーチルドレンとスタディツアー。
僕に大きな世界の広がりを見せてくれた、大きな存在だ。
僕が、自分の小さな社会の歯車の一部だったことに気付かせてくれた存在。
これは、社会人としてとても大切なことである。
しかし、このシステムから抜け出して、独立した歯車になるキッカケをいただいた。
自分が独立した歯車になってから気付いたのが、
自分の歯車が回るためには、自分の周りにも歯車が必要であること。
今回のツアーで、必要な人材に出会うことができた。
あかりさんから木のお医者さんが繋がり、
まいさんのダラムサラの自然環境への想い、
そして、なっちゃんのマネージメント能力だ。
本当に驚きと感謝の連続だ。
目標に向かっている人生は、必要なときに必要な人と出会うものだと感じる。

今回の2016春ツアーは、
毎日の組み込まれた各プロジェクトが感動の連続だった。
毎回毎回涙を流すことになってしまった。
これだけ多くの感動を含むツアーを組立てることができることに感動した。
『NPO法人レインボーチルドレン・スタディツアーは、人生を変えるビックプロジェクト』だ!!
レインボーチルドレンの企画力、人の繋がりに存在の大きさを感じた。
団体をこれほど実りのあるものに育てた、
石川代表、北條副代表、三村支部長などなど
心から敬意を表します。

みなさまへのお礼も伝えたい。
あかりさん、イルカのような癒やしの優しさとヨガが嬉しかったです。レインボーペンシルプロジェクトも子どもたちのたくさんの笑顔に出会えました。

あこさん、おっとりとしたやさしい女性のなかに熱い想いがあって感動しました。ダラムサラにお味噌汁を届けに来ますね。

amber、動物のような優しさにもう一度、僕自身を見つめ直しました。教えていただいた英語大切にします。

石川さん、次々と発生したイレギュラーに対し、いつも冷静に対応する力に感動しました。

だいちゃん、いい子で英語力もすごい!だいちゃんはものすごい可能性を秘めた好青年です。日本から応援しとるよ。

たかこさん、香り玉プロジェクト、たくさんの笑顔が生まれましたね。僕は編み物は戦力外でした。

なっちゃん、僕の初めての”人間の”アシスタント。そして、スーパーマネージャーです。今後もよろしくお願いします。

北條さん、ヒマラヤ山脈の谷より深いおもいやりの人。北條さんの言葉は深く心に響きます。泣かされました。

まいさん、ダラムサラでの自然環境への行動のときには、お供させてください。

ゆうかさん、若い女の子と思いきや、現地人顔負けな交渉力に脱帽。6ヶ月間ほんとうにおつかれさまでした。

優子さん、ツアー中、みんなが寝てるときに、人知れずみんなのいのちの恩人になってましたね。感動しました。
大きな感動をありがとう。
秋も集合したいです^^

2016春のスタツア感想文③~あかりの場合(ヨガインストラクター・兵庫)

 

「広く深い国インド」

虹のスタディツアー。春と秋、どうしても両方体験したくて、今回2回目の参加。

1回目は昨年の秋、チベットやスラムに関してほとんど何の知識も持たずに参加し、ぎゅうぎゅうのスケジュールをこなすだけで精一杯。自分に何ができるんだろう?!という焦りを感じていた初めてのスタディツアー。

2回目となる今回は気持ちの余裕があり、少し客観的に、ツアーのプログラムを通して自分の興味の対象やレインボーチルドレンでの自分の役割を見つめる旅になった。

私は日頃からあまり物事を深刻に考えず、問題意識や疑問、不満を持ちにくいタイプだ。

チベット問題やスラムの貧困問題、ストリートチルドレンの問題は悲しいことだが、だからといってその一面だけを見て、彼らが可哀想だとか不幸だとは思いたくはない。

どんな国に生まれても、良い面・悪い面はあり、例えば日本にも日本の抱える問題がある。

基本的に生まれた国、…というより、今与えられた環境を受け容れるものだと私は考えている。
(その上でより良い人生になるよう、どういう生き方を選択するかはまた別の問題だ。)

 

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チベットの奨学生が通うサラ大学、チベット子ども村、チベット人女性を支援するNGO、デリーの高架下の青空教室、ストリートチルドレンのシェルターなどなど、今回もたくさんの場所を回らせてもらい、それぞれに貴重な体験だった。

 

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とりわけチベット医学の総本山であるメンツィカンや、チベット伝統工芸の職業訓練所であるノルブリンカ、チベット仏教の高僧チャド・リンポチェの法話は興味深く、文化を知る良い機会になった。

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また、学生との交流の中で垣間見えた彼らの日常や、街で出会った人々との会話。ふとした瞬間の数々が強く印象に残っている。

改めて思うことは、亡命チベット人が多く住むダラムサラを含め、私はインドという国が大好きなのだ。

 

たくましく今を生きる人々、その思考の軽やかさ、懐の深さ。

ルーズで理不尽で、時に意味不明な国民性も、インドの愛すべき部分だ。

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デリーのメインバザールの衣料品店を一人で物色していた時のこと。

店の前に物乞いの老人が立っていた。インドに数日滞在すると、こんな光景も見慣れてしまう。

お金を渡していてはきりがない。老人の存在に気づいてはいたけれど、私はなるべくそちらを見ないようにしていた。

すると店の店主は、意外なことに店の前まで出て行って、そっと10ルピーを老人に手渡したのだ。

怒って老人を追い払うのだとばかり思っていた私は、なんだかとても衝撃を受けて

「あなたは心が優しい良い人だね。感動した!」と精一杯の下手な英語で店主に伝えた。

「自分だけが良くても、それは本当の幸せじゃない。自分の周りのみんなも幸せなら、僕も本当に幸せなんだ。」

と彼は教えてくれた。

ツアーの間、別のインド人からも何度か同じフレーズを聞く機会があった。

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この国ではそういう思想が浸透しているのかもしれない。

インド人が日常的に「ありがとう」「ごめんなさい」をあまり言わないというのは有名な話だ。

確かにインド人は、明らかに非があっても絶対に謝らず、言い訳ばかりする。

それはきっと、自分と他人との境界や壁をあまり感じていないからではないかと思う。

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皆が他人を自分のことのように感じ、ひとつの大きな存在の一部のように思っているからこそ、助け合うのも迷惑をかけるのもお互いさまで当たり前で、「ありがとう」も「ごめんなさい」も言う必要がないのかもしれない。

日本人の常識や美徳からはかけ離れているけれど、(そして自分の物のように財布をスられてしまった石川代表は気の毒だが…笑)その感覚はとても素敵だと私は思う。

この広く深い国を、もっともっと知ってみたいという気持ちでいっぱいだ。

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そして今回も奇跡のように集まった、素敵な仲間との出会いと絆にとても感謝している。

ダラムサラの昼夜の気温差や移動の疲れで、私を含め皆が万全な体調とはいえない状態だった。

そんな中でも、天使のような佐藤理事の行動を筆頭に、皆がお互いを気遣い、自分のできることで助け合おうとする空気が最後の最後まであった。

皆が旅の中で様々な気づきを得たり、それを糧に新しく進む道を見つけたり、想いを強くしていくのを見て、私もそれを自分のことのように喜ぶことができた。

やはりインドという国では、自分と他人との壁を感じにくくなるのかもしれない。

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最後に、今回「レインボーペンシルプロジェクト」と称して色鉛筆などの文房具を集め、デリーの学校に寄付させていただきました。

思い出の詰まった大切な文房具を提供してくださった日本のみなさまに、この場を借りて心よりお礼を申し上げます。

貧しいから物を与えるという支援ではなく、双方向の心の交流の一端に。日本のみなさまや子どもたちにインドの魅力を知ってもらうきっかけになれば嬉しく思います。

ご協力、本当にありがとうございました!