2015秋のスタツア感想文~ヨガティーチャーあかりの場合


 

レインボーチルドレンのスタディツアー。

現地の人と顔を合わせ、その生活を肌で感じ、直に話を聞くことができた貴重な体験となった。
印象的だったデリー シャディプールのスラム。
「スラム」というワードから想像していたものとは異なり、人々には悲壮感も狡猾さもなかった。
日本人の私たちに自然な笑顔を向け、何の見返りも求めずお茶や踊りで歓迎してくれるのだ。
とりわけ、子どもたちの人懐っこいキラキラした瞳には心を奪われた。

スラムの人々には、どこか貧困の中に与えられた「生」を受け容れているかのような印象がある。
自分を哀れんだり、他人を羨んだりという感情は一切感じられない。
輪廻転生やカルマを信じる思想からか、カースト制度の名残なのかはわからない。
私の好きな教え、『知足』
足るを知ること。必要なものはすべて与えられている、すでに受け取っているという考え方。
あれが欲しいこれが欲しいと無い物を求めていては、永遠に心が満たされることがない。
何かを所有すればするほど、人は失うことを恐れ、不安や恐怖に心を脅かされる。
物や人に執着しないことは、心を平穏にする。

物に溢れ欲望が絶えない日本の生活と、最小限の物しか所有しないスラムの生活。
本当に豊かなのはどちらだろう?
自分のものさしだけでは、幸せは測れない。

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もう一つ強く印象に残ったのは、チベットの人々との出会い。
控えめで誠実、繊細な感性と人をもてなす温かい心を持ったチベット人。
この穏やかで優しい人たちが直面している苦難、いわゆるチベット問題。

両親を残して亡命したある大学生は「親に会える機会は今生ではもうないかもしれない」と言う。
自分の国が無くなる、文化や宗教や言語を奪われるとは一体どんな気持ちなのか…
同胞が自分の命をもって抗議するのをどんな想いで見ているのか… 想像に及ばない。胸が痛む。
そんな中で、懸命に生きるチベット女性たちの姿に心を打たれた。
ネパール大震災に遭いながらも、被災地から織り機を救い出し仮の工場で絨毯を織る女性たち。
天然素材を使ったインテリアを、海外でも通用するクオリティのブランドに仕上げる女性たち。
自分たちの商品に対する想いの強さや誇り、支え合う温かさが感じられた。

私は阪神淡路大震災で被災したこともあり、このネパールの女性たちには特別な共感を覚える。
逆境にあって力強さを発揮するのは、男性よりも女性の方なのかもしれない。

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インドのデリー・ダラムサラ、ネパールのカトマンズ、またデリーと。
スラムから教育省・チベタンスクール・工場など、様々な場所を見て回ったこのスタディツアー。
インドやチベットのバックグラウンドに関してほぼ何の知識も持たず参加したこともあり…
めまぐるしくタイトなスケジュールに正直、身体も頭も心も付いて行かないまま旅を終えた。

帰国してからも「自分に何ができるのか」「本当に現地の人のためになることって何だろう」
…考えれば考えるほどわからなくなり苦しくなっていた頃、胸にすとんと落ちてきた。

『頭で考えるな、ハートが喜ぶ方へ動け!』
いつも忘れかけてしまうけど、迷った時に行き着く答えはいつも同じ。
まだまだ勉強不足で、根深い慣習や歴史、各国の思惑が絡んだ複雑な問題は理解しきれない。
だからまずは信頼できる仲間… 今回旅を共にしたレインボーチルドレンの活動を応援しよう。
そして無理をせず自分のハートに偽りなくできる活動をしよう、と思う。

たとえば、スラムやチベタンスクールで出会った子どもたちに笑ってほしい。
たとえば、ネパールで出会ったたくましい女性たちと一緒に何かを作り上げたい。

「弱者だから支援してあげる」のではない。ただ困っている友人を応援する。
必要なのは哀れみではなく、人として当たり前に湧いてくる普通の思いやりだ。
その思いがあれば、行動は後から付いてくる。
『癒すことは癒されること』… いつもいつも感じていること。
相手に見返りを求めるのではなく、誰かを癒すという行為自体が自分を癒すのだ。

ー 結局は自分のため? ー
突き詰めればそうかもしれない。
でも同じことだ。すべての命は繋がるひとつの大きな存在なのだから。

自分を想うように人を想い、人を愛するように自分を愛する。
自と他の垣根なく幸せを願う。愛と敬意と感謝の気持ちを持つ。
すべての人がそうあれば、誰もが生きやすく、世界はもっと輝いたものになるだろう。
インドの挨拶「ナマステ」には「こんにちは」だけでなく深い意味が込められているそうだ。
『神聖なるあなたを尊敬します 神聖なるわたしと同じように』
この言葉をすべての人へ。Namaste!

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【愛する仲間たちへのメッセージ】

私は今回が初参加で、事前にどなたとも面識がなく、まったく「初めまして」の状態。
にもかかわらず、みなさんが温かく迎えてくれたおかげで終始楽しく不安なく過ごせました。
世の中にはこんなにも温かく素敵な人たちがまだまだいるんだ!という喜びでいっぱいです。

数多の支援団体の中から、レインボーチルドレンのみなさんと出会うことができたのは奇跡。
出会ってくれて本当にありがとうございます。心から感謝!!

○代表のドラゴンこと石川さん
輝く坊主頭、しゃんと伸びた背中、穏やかな眼差し、胸に響く深い声。
風貌もさることながら、行いの尊さや精神性の高さも相まって、まるで僧侶のよう。
かと思えばお茶目な一面もあり、北條さんとのキャメルブラザーズで皆を笑わせてくれました。
リーダーとして皆を守り導いてくれ、一緒にいてとても安心できる存在でした。
そして、大きな流れに身を委ねるということを知っている人。心から尊敬します。

○副代表でカメラマンの北條さん
LINEネームは「なおき」、名札を書く時も「Naoki」とアピールしているのに、なぜか全員から「北條さん」と呼ばれている北條さん。全身から人の好さが滲み出ています。
旅の間カメラマンに徹して、現地の子どもやおばちゃんの笑顔を撮っている姿が微笑ましく…
撮影する北條さんの後ろ姿を撮影して和ませてもらっていました。
心身ともに過酷な旅の中、北條さんの笑顔に何度も救われました。

○東京支部長のユウコさん
しっかり者で聡明なユウコさん。スタッフとして見えない所でいろいろと働いてくれました。
この旅でたくさんの場所を訪れましたが、本当にどこに行っても知り合いがいて人気者。
コミュニケーション能力が高く、現地の大人や子ども、犬や猫まで引き寄せてしまう魅力。
語学に歌にマッサージと多才。Facebookの投稿の早さと自撮りの上手さに拍手!

○香り玉ティーチャーのタカコさん
同じ関西チームで、二人で関空から出発。楽しく旅のスタートを切ることができました。
香り玉プロジェクトでは頼もしい先生の表情になり、チベット女性たちに編み物を伝授。
今回、この新しい取り組みに一緒に参加できたことを、嬉しく光栄に思います。
香り玉プロジェクト、今後の展開が楽しみです。

○ルームメイトのマイちゃん
自然や物作りが好きで、環境に興味のある優しいマイちゃん。同年代ですぐに仲良しに。
毎晩夜更かしする私に文句一つ言わず、レイくんのマニアックな話題にも対等に渡り合う。
いつもよく気がつき、皆をフォローしてくれる広い心に、とてもありがたい気持ちでした。
意欲的にいろんなことを吸収し、自分の世界を広げる姿に刺激を受けました。

○クライマーのガクくん
気づけばいつも屋上とか高い所に登っていたガクくん。元気と体力があり頼れる存在。
温かい心の持ち主で、いつもさりげなく周りに気を配ってくれる、気持ちの良い青年です。
ハードなインドの旅には、こういう人がいてくれるだけでとても安心できます。
ネパールでは兄弟のようにガクくんそっくりなチベット人に出会い、かなりいいネタに…。
そして皆の余った食事を綺麗に引き受けてくれました。食べ物に感謝する精神に脱帽。

○アーティストのレイくん
最初は壁を作って自分を守っているように見えたレイくん。あまりにも繊細で個性的すぎて。
さぞかし日本の社会では生きにくかろうと、勝手に弟のように想って心配していましたが、
旅の中で皆の愛に触れ、彼を縛っていたものから解放されたようでした。もう大丈夫!
声を震わせて「もっと生きたい」と言ってくれた時、どれほど嬉しかったかわかりません。
魂の成長を目の当たりにした瞬間。彼の存在を通して皆が慈愛や寛容さ、絆を育めました。

○通訳のユウカちゃん
まだ大学生にもかかわらず、経験値が高く優秀な人材。まさしく輝ける未来のリーダー!
この旅では通訳をつとめてくれたおかげで、皆の学びと理解がぐんと深まりました。
レインボーチルドレンのインターンシップで、この後6ヶ月もインドに残って活動する彼女。
女の子には厳しい環境に一人で飛び込む勇気と行動力。若さと情熱が眩しいです。

○先遣隊の佐藤さん
入れ違いでお会いすることはできませんでしたが、日本から皆の旅を見守ってくれました。
お人柄の良さが窺え、いつかお会いできる日を心待ちにしています。

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アカリさんは帰国後、RAINBOW PENCIL PROJECTをスタートしました。