Vol.31 コラム ちびっとチベット情報【閲覧注意!焼身自殺②】


Vol.31 コラム ちびっとチベット情報【閲覧注意!焼身自殺②】

2013年11月2日(土) 【閲覧注意!焼身自殺②】

今回もかなり衝撃的で、過激な描写も含まれた、しかし真面目な投稿です。

投稿を見て、不快な思いをする方がいらっしゃるかもしれません。

私自身、投稿することをためらいましたが、今回インドの旅を体験してわかったこと、学んだ事実は事実として、お伝えすることにしました。

かなりの長文になりますが、同じ地球人としてちょっと考えるきっかけとなり、関心を持っていただける方が一人でも多くなれば嬉しいです。

※今回のテーマは、3回に分けて投稿しています。

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前回からの続きです…

★なぜチベット人の焼身自殺が後を絶たないのか。『民族浄化』とは?

今チベットでは、中国共産党(中共)に抵抗する僧侶の焼身自殺が相次いでいます。

独自の自治、政治的、文化的な自治権が認められるはずだったのに、中共はその約束を破り、チベットを「侵略」していきました。

中共に侵略されたチベットでは、言語や民族文化を抹殺され、宗教も迫害を受けて、多くの人々が謂われのない拷問を受けたり虐殺されたりしています。

私はインドから帰国して、自分なりに焼身自殺に至る動機やその背景に関する情報を、いろいろと調べてみました。

焼身自殺をする方々には様々な環境、それぞれの立場、それぞれの思惑があるので、自らの命を断つに至った原因は一概にこれだ!と現状では結論付けることができません。

焼身自殺が起こる背景や根拠は何なのか、判断するにはあまりにもチベット本土からの情報が少な過ぎるという現実の壁があります。

今チベット本土で暮らす人々の現状は、中国政府の情報規制によって、残念ながら細かな情報が入ってきません。

入手する情報の多くは、規制されながらも海外メディアが持ち帰ってきた数少ない情報や、ヒマラヤ山脈を越え亡命してきたチベット難民から集められた情報に頼らざるを得ません。

You Tubeなどの訴求効果の高い動画によって、現地の人から直接様子が伝えられれば、もっと核心に迫ることができるでしょう。

しかし、中国では世界中で共有できるYou Tubeが視聴できません。
中国政府によって情報規制されているからです。
中国政府はチベットに関する情報流出には、ものすごく神経を尖らせています。

「北朝鮮の平壌ですら海外メディアの姿はあるが、チベットの首都ラサには海外メディアがいない」と国境なき記者団も述べています。

また、チベットの首都ラサの現状を目にしたある中国人学者は、
「チベット人よりも、中国人のほうが多い」
「僧侶よりも、警察官のほうが多い」
「窓よりも、監視カメラのほうが多い」
と語っています。
全域が、布告なしの戒厳令下にあるのです。

中国政府は焼身事件を隠そうとしています。
焼身自殺を計画しているチベット人に関する情報提供者には、賞金5万円、最近発生した焼身自殺に関する詳しい情報提供者には、賞金20万円を支給すると発表しています。

こうした情報がむやみに出回らない風潮があると、タダで情報を漏らす人もなかなかいません。

また中国政府のスパイが聞き回っているという情報もあります。

焼身自殺について海外メディアが現地のチベット人にコメントを求めても、みな口をつぐみます。

そこで、わかっている過去の事実を整理しながらもう一度、現在に至るまでの中国におけるチベット問題の歴史を紐解いてみます。

★チベット問題の歴史

Vol.31 コラム ちびっとチベット情報【閲覧注意!焼身自殺②】2

1950年10月、中国共産党の人民解放軍によるチベットへの「侵略」が始まりました。

大量の解放軍の進駐で、「餓死」という言葉すらなかったチベットは、歴史上初めての食糧危機に見舞われます。

さらに中共は宗教国チベットから宗教を消し去ろうと、様々な圧政を加えました。

多くの寺院が砲撃され、数千人の民衆が虐殺されます。

インドに亡命したダライ・ラマ法王を追って多くの難民がインドに向かいますが、ほとんどは中国軍に捕まり強姦•殺害されたり、途中で飢えと寒さと病に倒れていきます。

1959年3月、チベット人の抵抗運動は全国的に拡大し、首都ラサで民衆がノルブリンカ宮殿を取り囲み最大級のデモを行いました。

「ラサ決起」です。

それに対し中国軍は「血塗られた金曜日」と呼ばれる大弾圧を始めます。

『宮殿への集中砲火は41時間続き、その後砲撃は4日間におよび、宮殿は破壊されつくし、何万人という民衆が殺された。

•ある者は後頭部を銃で撃ち抜かれ、脳みそが飛び散った。中国人たちは「花が咲いたようだ」と言った。

•ある者は「立ったままの姿勢がいいか?横になったままがいいか?」と生き埋めになる姿勢を聞かれた。

•ある者は穴に泥が押し込まれ、顔から眼球が飛び出すと、中国人はその眼球を切り取った。

•多くのチベット人が投獄され、残酷な扱いに耐えかね、自殺者は9千人にも上った。

•残った者も強制労働収容所に入れられ、「反乱反対」の学習を強制された。

•僧侶たちは首を絞める重りに仏像が使われて虐殺されたり、「奇跡が起こせるなら飛んで見せろ」と高所から蹴り落とされ虐殺された。

•民衆の尊敬を受ける僧侶は、糞を食べたり小便を飲んだりするよう強制され、人々はその光景を見るよう強要された。

中国共産党は徹底的に宗教を弾圧し、4500あったチベットの寺の99%を破壊。
現在残っているのは、中国の発表でも45しかない。

7000あった僧院も9割以上が破壊され、15万人いた僧侶も中国の発表でもわずか1400人程度となっている。

もちろん今でもチベットの監獄•収容所では、凄まじい拷問が行われている。

最も一般的な拷問用具は「電気棒」である。

直径0.5インチと2.5インチの2種類があり、5万ボルトもの電流が流される。

これを口に突っ込むと、口が爆発したように感じ、瞬時に気絶する。

最もおぞましい使い方は、これを尼僧を含む女性の膣内に突っ込むのである。

他にも独房監禁、ゴム管を使っての囚人の口への放尿、血液体液の強制抽出、雪の中への裸での放置、看守たちによるレイプなどが行われている。

多くの尼僧たちや子供たちまでが、平和的なデモに参加しただけで投獄され、拷問にさらされたり、殺されたり、行方不明になったりしている状況が、今もチベットで続いている。

このような環境から抜け出すため、凍傷や凍死の危険を冒して、ヒマラヤ山脈を越えて亡命するものは後を絶たない。

数限りない残虐行為の末、中共が最終的に目指しているのは、チベット人を地球上から抹殺すること。
つまり「民族浄化」である。

★民族浄化

中国人医師によって、奇妙な手術を受けたという報告が数多くある。
いずれもその手術の後は、性的欲望が一切なくなってしまったという、断種の手術とみられる。

次世代を担う子供たちは、15歳位から乳児まで数千の子供が親元から引き離されて中国に連れ去られ、そして1人も帰って来なかった。

更に中国政府はチベット移住を奨励した。

囚人もチベットに移住するなら釈放された。
中国人はチベットを人口爆発のはけ口として使い、今ではチベット人が600万程度に対し、中国人は750万と人口が逆転し、混血も進められている。

チベット人の子供には、チベット語の名前を命名することも許されなかった時期もあり、学校ではチベット語の授業は制限され、チベットの文化的•民族的価値観は教えられず、共産主義イデオロギー教育が行われている。

愚民化政策で12歳以上の文盲率は、中国側の発表でも男子61.39%、女子87.22%と異常に高い。

中国人によりもたらされた虐殺•餓死などによるチベット人の死者は128万人。

チベット人口の5分の1以上である。』
※小林よしのり『新ゴーマニズム宣言〜見ぬふりされてるチベットでの民族浄化〜』より一部抜粋

 

1990年以降、経済開発を名目に中共は、チベット地区へ中国人を大量入植させました。

チベットは中国領土の4分の1を占め、アジアの水源地でもあり、最大級のウラン産出地帯です。

また、中央チベット•西チベットには、豊かな鉱山資源やレアアースなど希少価値の高い天然資源が眠っています。

中国はそれらを喉から手が出るほど欲しがっているのです。

中国はチベットの社会や文化を薄め、中華式社会を確立させ、自国の発展につなげようと試みています。

この中国による強制的なチベット文化の抑制、破壊、根絶プログラムに抵抗する抗議の一つが焼身自殺です。

領土拡大に伴う侵略行為、『民族浄化』というキーワードが、焼身自殺が止まらない一つの原因だと私は思っています。

デモをすれば警察の発砲を受け、逮捕されれば死ぬほど拷問を受ける。いずれ命を落とすのなら、と究極的抗議のため焼身を選ぶ人がいるのです。

現在も続いている『民族浄化』を国際連合は議題にすら上らせることはありません。

国連では拒否権を持つ5ヶ国の常任理事国がありますが、中国はそのうちの一つだからです。
外交問題も複雑に絡み合ってきます。

また中国の人口は13億人で世界一。中国と貿易をおこなっている世界の国々にとっては、自国に利益をもたらす魅力的で巨大なマーケットでもあります。

それぞれの国の思惑、一個人としての立場によって、様々な考え方や意見があると思います。

しかし、強烈なメッセージを訴えながら自らの命を断ち、もっとも悲惨な状態で、もがき苦しみ抜きながら亡くなっていった人がいることだけは、確かな事実です。

人の命は地球よりも重いはずです。

大事な一つの命を無駄にしないためにも、焼身自殺という行動の裏に隠されたメッセージを、私たちは感じ取る意識を持たなければいけないのではないでしょうか。

【チベット問題】天台宗僧侶、大樹玄承 執事長の涙ながらの声明【生放送】(9分8秒の動画)
http://www.youtube.com/watch?v=jzAWOmYpoLc&desktop_uri=%2Fwatch%3Fv%3DjzAWOmYpoLc

つづく…。

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