Vol.28 (4日目)【ダラムサラの治安】


Vol.28 (4日目)【ダラムサラの治安】

2013年10月30日(水) 【ダラムサラの治安】

前回からのつづきです…

支援予定先の、Tangtong Lhugar (タントンルーガル)音楽学校での話し合いが終わる。

突然の停電のため、ろうそくに火を灯し、暗闇の中での食事会。

すると、外から「ブッブッブー!」とクラクションを連打する音が聞こえてくる。

「何だ!?何かあったのか!?」

外ではここまで乗ってきたタクシーをずっと待機させていた。
しかし、予定の時間をはるかに超えてすでに4時間以上も経過していた。

車に駆け寄ると、ドライバーはかなりの興奮状態。
約束の時間に遅れていることにドライバーが相当怒っているのか?

トゥプテンがドライバーの言葉を訳して何があったのか伝えてくれる。

ドライバーは電灯もない真っ暗闇の中、私たちの帰りをずっと待ってくれていた。
すると突然、窓の外には私たちではなく、見知らぬ男たちの姿。

男たち:「おい!窓を開けろ!」

よく見ると、男たちの手にはナイフが握られている…!

タクシーの中で待機していたドライバーは、真っ暗闇の中、突然3人の男に囲まれて脅されていたらしい。

パニックになったドライバーが、私たちに助けを求めて、必死でクラクションを鳴らし続けていたのだ。

私たちが団欒中に聞いたクラクションは、彼の生死を賭けた心の叫びだったのだ。

ドライバーのもとへ駆けつけて行った時には、すでに男たちは姿をくらました後だった。

帰りのホテルまでの送迎中、襲われた彼は運転しながら終始、チベット語で何かを怒鳴りまくる。

しかし、チベット語でまくしたてられても、私たちには彼が何を言っているのかさっぱりわからない。

トゥプテンが所々訳して伝えてくれる。

殺される!という恐怖。
彼はどれだけ怖い思いをしたのかを、私たちにわかって欲しかったようだ。
相当怖い思いをしたことだけは、彼の雰囲気からよく伝わってきた。

彼はあまりの恐怖体験に、興奮しながら泣いていた。

男が恐怖のあまり泣くなんて、普通は考えられないことだが、これこそ普通でない状態。

目の前にあるナイフで脅されて、極限の精神状態に追い込まれる恐怖感。

ここは安全な日本ではなく、危険と隣り合わせの外国なのだ。
普通でない状態に囲まれた、普通の日常なのだと再確認した出来事だった。

★ダラムサラの治安
マクロードガンジは外国人滞在客も多く、夜遅くまで開いている店もあって深夜でもそこそこ明るくて、つい日本と同じように振る舞ってしまいがちです。

しかし、マクロードガンジをちょっと離れると、街灯もなく真っ暗な山道が続いています。

また、ダラムサラは貧困なヒマーチャル・プラディシュ州にありながら、金持ちの観光客(観光が出来る人はそれだけで金持ちです)が押し寄せるいびつな構造の上にある場所です。

ダウン・ダラムサラ(ダラムサラ市内でもマクロードガンジを30分ほど下った平地部に広がっている街)に滞在している人などが、女性1人で真っ暗な山道を歩いて下っていて、強盗に遭ったとか、危険な目にあった、などの話はたまに聞くそうです。

治安•安全性に関しては、アジア諸国では他国を引き離し、ブッチギリでトップの日本。

海外旅行を楽しいものにするためには、
•ここは安全性の高い日本ではないこと
•一つ間違えば事件に巻き込まれる危険性があること
という意識を忘れてはいけませんね(>_<)

つづく…

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