今回のガンガー(ガンジス河)での沐浴体験は、個人的にいつかはやってみたいと思っていたイベントでした。
ガンガーには火葬場からの遺灰が、次々と流されてきます。
また、火葬されない子供や妊婦、出家遊行者の遺体は石の重しを付けて沈められ、川底で今も眠っています。
ヒンドゥー教徒にとっては神聖なる場所でもあるので、オノボリサン的な感覚で沐浴してはバチ当たる。
前日の夜に火葬場体験を目の当たりにしたことで、観光気分ではいけないと改めて再認識して沐浴に臨みました。
バラナシを訪れたことのある人でも、ガンガーで沐浴体験をするにはかなりの勇気がいります。
今回も貴重な人生の財産となった沐浴体験。
果たして、ガンガーでバタフライを泳ぐことなんてできるのか!?
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2014年3月12日(水) 4日目-2
早朝のボートトリップを堪能し、ホテルの屋上でBreakfast。
このホテルのレストランから眺める景色は、ホント素晴らしい。
食後、メンバー5人はマーケットのお土産屋さん巡りへ出かけて行った。
私はというと、ガンガーと言えばやっぱり沐浴!
聖なる川ガンガーにて一大イベント、沐浴にチャレンジ!
石川カメラマン、同伴よろしくお願いします!
ここで今回のスペシャルアイテム、日本から持参してきた水着ちゃんの登場!
そもそも私はヒンドゥー教徒でもないのに、何で沐浴しようと思ったのか。
情報収集していると、どちらかといえば“ガンガーでは沐浴はしない方が無難”という注意喚起する情報の方が多い。
実は、今回インドに来る前に参加してきたイベントのTABIPPO2014。
そのオープニング映像の中で、女性がインド一人旅をするドキュメント映像が今回の決心につながった。
映像の中で、その女性がガンガーで沐浴をするシーンがあった。
沐浴をし終わった後の彼女の表情が、満足感に溢れていてとても印象に残ったのだ。
決して衛生的ではない川でザブンと潜る行為に、どれほどの影響力があるのだろう?
あの満足感に溢れていた彼女の表情の裏側には、果たしてどんな感情が芽生えていたのだろう?
彼女が沐浴で何を感じたのか、自分も実際に体験してみたい!
ガンガーでの沐浴はインド人にとっても憧れであり、遠くインド全土からインド人が集まってくる。
ヒンドゥー教徒にとっては神聖なる川であり、お土産に川の水を持ち帰るためのペットボトルやポリタンクも売られている。
なかなかガンガーまで来ることの出来ないヒンドゥー教徒へは、最高のお土産になるらしい。
▼ガンガーでの沐浴
ヒンドゥー教の信仰によれば、ガンガーの聖なる水で沐浴すれば、全ての罪は浄められ、ここで死に、遺灰がガンガーに流されれば、この世の苦しみから解き放たれ、輪廻からの解脱を得るという。
これはヒンドゥー教徒にとって最高の幸福といえる。
この街に年間100万人を超える巡礼者が訪れ、その中にはここで死ぬのを目的にしている人さえいるのもこのためだ。
沐浴によってガンガーを全身で感じることは、どこか魂に触れる経験として忘れられないものになるだろう。(地球の歩き方より抜粋)
昨晩の貴重な火葬場体験。
遺体を包む燃え上がる炎を見て、単なる観光気分で沐浴するのではなく、きちんと死と向き合う意識を持って臨もうと、改めて再確認させてもらった。
んがっ!ここガンガーでの沐浴を侮るなかれ!
ガンガーには大腸菌がい〜っぱい!
バイ菌だらけの川として世界的に有名な川でもある。
なんとコレラ菌も3時間で死ぬらしい(>_<)
『阪神が 勝って飛び込む 道頓堀』川の汚さなんて、その比じゃない!
沐浴が終わった後、私の身体の体調は大丈夫なのか!?
川を流れてくる死体のほか、下水や工業排水なども垂れ流されている。
もし、沐浴中に間違って川の水を飲んでしまったら、その後にはとんでもない下痢地獄が待っているらしい。
※ヒンドゥー教徒にとってガンガーは聖なる川ではありますが、決して清潔な川ではありません。
色々と調べてみると、免疫のない外国人が沐浴した場合、下痢や発熱など体調を崩すことも少なくないと聞きます。
長時間浸かっていたり、調子に乗って泳いだりしないように十分注意が必要です。
しかし、“聖なる川を信じる気持ち”が体調を崩さない一番の要因かもしれません。
私は結局、体調の方は全然大丈夫でしたが、あくまでガンガーでの沐浴は自己責任で!
どうしてもチャレンジしてみたい人は、衛生面を考えてボートで移動してガートの対岸で沐浴する方が少しはマシかも知れないです。
さて、沐浴する場所はどこにしよう?
石川カメラマンと二人で、沐浴できそうな場所を歩いて探す。
数あるガートの中でも、少しでも水が綺麗な所はないだろうか(^_^;
ヒンドゥー教徒なら聖なる川を目の前にして、沐浴する場所なんて選ばないのだろう。
いたるところで熱心に沐浴をしているインド人の姿。
ジャブジャブと全身川に浸かり、頭や口の中も清めて祈りを捧げている。
目の前には、楽しそうに水遊びをして泳いでいる青年たち。
なんか楽しそう!
よし!場所はここに決定!
覚悟を決めて服を脱ぎ、海パン一丁に。
では海パンマン、行って参ります!( ̄^ ̄)ゞ
石川カメラマンに、沐浴シーンの撮影をお願いする。
沐浴しようと試みたものの、いざ、濁った川の水を目の前にすると足がすくむ。
川の水はヒンヤリと冷たい。
階段を降りて、一歩一歩水の中へ。
ヌルッ。
な、なんだ!?この感触!?
コケ!?
イヤ、辺りを闊歩している牛フンか!?
イヤイヤ、3000年かけて火葬場から流されて溜まった遺灰か!?
足の裏から伝わってくる異様な感触に、正常な思考がマヒしていく。
視界には、水面に浮かぶ細かいゴミ。
緑色に濁った川の水。
そして目に見えない足元のこれはいったい…
しかし、神様を崇めようとする気持ちが心を無心にさせる。
私は無宗教だが、神様を信じる真っ直ぐな気持ちっていいもんだ。
長い間、生と死を飲み込んできたガンガーの水は、日本人が持つ”常識”という概念を破壊していく。
今まで培ってきた“常識”は、ここでは単なる行動への足かせでしかない。
今は、目の前の“現実”と向き合うことが大切なのだ。
慎重に慎重に、前へと進んでいく。
と、突然一気に川底が深くなった!
あ、足がつかない!
ちょ、ちょっと撮影ストップ!
ア、アップ、アップ! 溺れる〜!(>_<)
※あわてる日本人と、助けようとするインド人の青年。
決して楽しんでいるのではない。溺れているのである(笑)
慌てて足のつく所まで泳いで戻る。
溺れながらお祈りなんて、出来っこないわ〜!
もう一度気合いを入れ直して、再度チャレンジ。
とりあえず胸の辺りまで水に浸かる。
相変わらず足には、ヌルヌルと何かがまとわりついている。
もうこれで沐浴したってことでいいかな?
いやしかし、頭までスッポリと浸かってこそ、沐浴だそうだ。
よし、やるか!
胸の前で手を合わせ、大きく深呼吸してお祈りする。
3、2、1…
意を決して、一気に頭まで潜ってみる。
聖なる川ガンガーよ、身も心も洗い流しておくれ!
生と死が凝縮されたこの場所で、自分もガンガーと一体となった瞬間だ。
水中で目を開けて水面を見てみたなんて人もいるが、とてもそこまでマネ出来ない。
以前テレビで『ガンジス河でバタフライ』というドラマが長澤まさみ主演で放送された。
実際にガンガーで長澤まさみがバタフライで泳ぐシーンがあるが、彼女の女優魂には恐れ入った!
せっかくガンガーを訪れても、沐浴は怖くて見学だけしかしない人もいるくらいだ。
見ているのと、実際にやるのとでは大違い。
自分は頭まで潜っただけなのに、なんだろう、終わった後のこの清々しい気持ち、この達成感。
言葉には言い表せないけど、充実感で心がいっぱい!
なんだかわからないけど、とにかくものすごく興奮している自分がいる。
今まで生きてきた中で、犯してきてしまった罪が少しは清められたのかな!?
沐浴する前は、当たり前のように汚いと思っていた川の水や、辺りに散らばる牛の糞。
沐浴を終えた今、それらに対する感情が以前とは違う気がする。
なんて言えばいいんだろう。
一番底辺では、結局自分もそんなものとつながっている、一体感のような感じといえばいいだろうか。
般若心経の中に、『是故空中 無色無受想行識』という一節がある。
各々が持つ“常識”。
そして目の前の“現実”
一つ一つ全てに違いがあるように思えるが、ハンニャハラミツの世界から見れば、存在しているように見えるすべてのものは夢やマボロシに過ぎない。
私たちの心を構成している、感覚や思考や意思や認識までも、すべて確かなものではなくマボロシなのだ。
ハンニャハラミツとは大海であり、この現世に形作っているものは、すべてこの大海のおもてに起こっては消える波のようなもの。
大きな波、小さな波、いろいろな波があるが、波と大海は常に一つ。
生まれたものも消滅したものも、実は最初から生まれることもなく消滅することもない、一つの大海そのものなのだ。
人間が死を恐れるのは、自分がなくなったら全てが終わり、無になると考えているから。
しかし、それは波の形だけを見ているようなもので、自分とは大海そのものだと理解すると、死の恐怖からも逃れることが出来る。
目に見える世界では形に違いはあっても、真実の世界では生も死もそこに存在する物体も、その本体はすべて同じものなんだと、ガンガーでの沐浴体験は教えてくれている気がした。
陸に上がると、側で私の沐浴を見ていたバラモン(らしき男)が話しかけてきた。
沐浴をした人間に対して、説法してくれるという。
どうやら、ガンガーで身を清めた人にお祈りをしてくれる人のようだ。
外国人のカメラマンが、その様子を写真を撮らせてくれと寄ってくる。
バラモン(らしき男)に自分の名前を伝える。
さらに自分だけでなく、母の名前、姉の名前も伝えて、家族全員をガンガーの水でお清めしてもらう。
説法が終わると、バラモン(らしき男)から1000ルピー請求される。
えぇ!?せ、1000ルピー!?(@_@;)
インドではとんでもない大金だ。
もう日本に帰るからお金がないとウソを言って、石川さんが100ルピーだけ差し出す。
しかし、これでは全然足りないと言われ、結局300ルピー渡した。
さらに説法している様子を写真で撮っていたカメラマンが、しつこく写真を売りに来る。
気分が高揚していたせいもあるだろう、仕方なく写真2枚で50ルピーで買う。
はぁ、ここでもインドのビジネスか...
せっかくの神聖になった気持ちが薄らいでしまう。
バラモン(では決してないだろう男)とカメラマンと十分交渉することも無く、お金を払ってしまった。
※沐浴する人は同じ目に合わないよう、十分気をつけてくださいね!
ホテルに向かって帰る途中、顔にカラフルなペイントをした若者たちが寄ってくる。
3月17日にインド全土で行われる、ホーリー祭の準備のようだ。
「ハッピーホーリー!!」
みんなハイテンションで浮かれまくっている。
17日はアーグラー観光をしている予定だが、その頃は街中がホーリー一色になっているんだろうなぁ。
写真を撮ってくれとせがまれ、パチリ!
部屋に戻って急いでシャワーを浴びる。
気を抜いて寝込んだりでもしたら、エライコッチャ!
1泊2日の短い滞在だったが、バラナシもアツイ体験てんこ盛りだった。
次回こそは、ガンジス河をバタフライで泳いでやろう!
って、バタフライの泳ぎ方、知らなかった(^_^;
つづく…
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