2017春のスタツア感想文⑤~ヒロくんの場合(デザイナー・東京)


 

僕が旅に出た理由は、不確かな未来を変えたいと願ったからでした。

スタディツアーから帰ってインドでの数日を思い返した時、谷川俊太郎の詩、「朝のリレー」を思い出しました。

カムチャッカの若者が
きりんの夢を見ているとき
メキシコの娘は
朝もやの中でバスを待っている
ニューヨークの少女が
ほほえみながら寝がえりをうつとき
ローマの少年は
柱頭を染める朝陽にウインクする
この地球で
いつもどこかで朝がはじまっている

ぼくらは朝をリレーするのだ
経度から経度へと
そうしていわば交替で地球を守る
眠る前のひととき耳をすますと
どこか遠くで目覚時計のベルが鳴ってる
それはあなたの送った朝を
誰かがしっかりと受けとめた証拠なのだ

「教育は世界を変える」という壮大なテーマを掲げたNPOに、二人で始まったスタディツアーも今では共感して参加した人達が100人を越える。
ダラムサラで見た、遥か遠くに見えたヒマラヤの頂も一歩一歩の確かな足取りで前に進み、いつか登頂するように、以前の参加者たちが一つ一つ実績を積んで進んできた場所から今回僕らはスタートし、また一歩前に進んだ。この場所から見た風景も、最初の一歩を踏み出した時に見た風景も、きっと同じ壮大な風景が見えたに違いない。

これからも10年、20年と続く支援活動に参加する人達が、どうか同じ風景が見えますように、壮大なテーマを信じて掲げ続け、歩をあわせて前に進んで、時には自身の確認のためにもまたあの風景を見たいと思います。

ありがとうございました。

オノウエヒロカズ